SS<14.Feb.'13>

二月ですよ。
寒さも極まってますが、もうひといきですね。

バルキリーが欲しいな~、って去年プラモデルを買ったのですが、未開封(苦笑)
あれを作る前に、ちょっと練習したいな、とVT-1を中古屋さんで見つけた。
・・・これもやっぱし敷居が高かった。
迂闊に手を出してはならぬやつだったな、と今更くやんでますが、
いつかは完成させるぞーーー(^O^)/

さてさて、ポロリとできたのでUPします。
メガロードでの初めてのバレンタインです。
<love and hate>とは直接つながってませんので、ご注意くださいね。



*戴いたコメントにお返事しました。(2/15)(2/16)





<14.Feb.’13>





「ね、防衛隊の話、聞いた?」
「なに?なんかあったの?」
「隊長が女子にだけザッハトルテをプレゼントしたんですって」
「えー!いいなぁ。もしかして、あそこの?」
「そうそう。開店から並ばないと買えないのに、二時間以上並んだそうよ」
午後からの勤務のオペレーターが隣の同僚に話していたのが、未沙にも聞こえた。
わざと咳払いをすると、二人は何もなかったようにモニターに向かう。

未沙は艦長室へ向かうため、ブリッジを後にした。
途中で、自分より少しだけ若い女性士官に呼び止められる。
「さっき、彼にプロポーズされました」
輝の部下とつきあっている彼女は、こっそりと、
しかし喜びを隠しきれない大きな笑顔で報告した。
ふたりのなれそめやいきさつも輝から聞いていたので、
未沙もうれしくなり、心から祝福した。

2013年2月14日。
街も、軍内も華やかな雰囲気に満たされているのだが、
ほんのすこし未沙は置いていかれている。
護衛艦と連携した演習を抜本的に見直している最中で、
戦闘については相互に見解の相違が見受けられ、
それを調整するのに根を詰めすぎたのか、疲れが取れない。
椅子に腰を下ろすと、大きく深呼吸をして、日報を書き始める。

ひと段落つくころ、松浦が引継ぎに訪れた。
「一条家は日本流?
手作りケーキとかあげないの?」
からかい半分の松浦を軽く睨むと、彼の耳たぶに小さな青い石を見つける。
「そんなことより、勤務中はピアス禁止でしょう?」
「もらったばっかりなんだよね」
自慢げに指ではじく。
「いますぐ外してください」
彼はしぶしぶピアスを外し、ポケットにしまった。
「早瀬さんは、隊長になにをあげるの?」
「あなたには関係ないことです」
未沙がきっぱり言い放つと、松浦は、はいはい、と返事を重ねた。
そして雰囲気を改めて敬礼をすると、ブリッジに向かうべく踵を返した。
扉があく直前、未沙は彼を呼び止める。
「綺麗な石ね」
未沙が言う。
「だろ?」
彼は笑う。

松浦は恋人ができた。
未沙は相手を知らない。
詳しいことはわからないが、順調に進んでいるようなので、それでよいと思っている。
あまり彼が得意ではないのは今に始まったことではないが、
改姓後、雑談の時にだけ『早瀬さん』と呼ばれるのは、嫌ではない。

任務を終えた未沙は、家路についた。


         ☆


「だから、知らないってば」
隊長室で、ほんの数枚といえども、
みっちりと字が詰まった書類に苦戦を強いられている輝の前に、
彼女にプロポーズしたけど、今日中に婚約までしたいと言い出した部下が、
すがりつくような目つきで立っている。
「婚約とプロポーズって同じじゃないの?」
「違います」
「俺、そこまで考えなかったからなぁ」
一瞬取り合ってしまったが、左右に首を振ると書類に戻る。
「隊長はどうやったんですか?」
「どーもこーも、そのまま籍入れちゃったからさ」
書類に目を走らせながら、彼の質問につられた輝は我に返る。
彼は目を見開き、半分口を開けて驚いていた。
「初めて聞きましたよ、それ!!」
「べ、べつにいいじゃないか!」
妙に気恥ずかしくなって、輝は耳まで熱くなる。
その手もあったか、と頷く彼に、慌てて言う。
「自分だけで突っ走らないで、ちゃんと彼女と相談して決めろよ。
しかし、なんでそんなに急いでるんだ?」
「バレンタインに婚約すると、縁起がいいんです」
当然だろうといわんばかりの彼に、輝は首をかしげた。
「俺の生まれたあたりでは、そうなんですよ」
なるほど、と輝もうなずく。
「でも、彼女は違うだろ?」
「・・・そうです、ね」
彼は、自分のバレンタインの認識が、ローカルルールだったことに気付いた。
「だから、ちゃんと話し合った方がいい。
俺がわかるのは、それだけだ」
これ、読むから、と書類を彼の前で振る。
冷静になりつつある彼は、礼を述べて退出し、
輝は静かに笑むと、腹をくくって机に向かった。


      ☆


輝が家に帰りつくと、午後10時を回っていた。
リビングのソファで、うたたねをしていた未沙が目を覚ます。
「いいよ、そのままで」
慌てて輝が声をかけると、目を擦り、未沙は体を起こした。
「おかえりなさい」
「ただいま」
輝は真っ赤な小ぶりのケーキ箱を、未沙に手渡した。
「ありがとう」
やわらかく目を細めた未沙は、輝を見上げる。
「噂になっていたわよ。女子隊員に配ったって」
「配ったんじゃない、使われたんだ」
輝は鼻を鳴らす。
「いい店知らないか聞いたら、私たちの分もおねがいします、って金渡すんだぜ。
ちゃっかりしてるっていうか・・・」
「あら、あなたがごちそうしたのかと思った」
「さすがに今日はそんなこと、しないよ」
輝は未沙の隣に腰掛ける。
「好きな女にしかプレゼントしない日なの」
「それがあなたの2月14日なのね」
輝がうなずく。
未沙は、彼の唇に軽くキスをした。
「ささやかなおかえしで、ごめんなさい」
「いいんだよ。
それよりほんとにもう寝たら?
ケーキは起きてから食べればいいし、俺もメシ食ってきたし、あとは勝手にやるから」
「今日はまだ大丈夫よ」
ゆっくりと未沙は立ち上がる。
「好きな男とお茶くらい飲みたいわ、私も」

テーブルの上に、食べやすい大きさに切られたザッハトルテが並んだ。
寝る前だからと、お茶ではなく、あたたかいミルクが添えられてる。
「そろそろかしら?」
「なにかあってからじゃ困るから、早い方がいいんだろうけどね・・・」
「もしかして、恥ずかしいとか思ってる?」
「まさか!
俺たちだけしか知らない、って思うと、なんかウキウキしてさ」
「そうよねえ。
私達だけの秘密なのに、もったいないわよね」
輝は、未沙の下腹に掌をあてた。
「ここにいるのかな?」
「たぶん」
未沙も手を重ねる。
「腹が出てないと、全然わからないな」
「私も実感がないもの。
でも眠くて、だるくて、疲れが取れなくて、やっぱり普通じゃないのよ」
輝は不安を隠さずに、未沙を見つめる。
「無理するなよ」
未沙はうなずいた。
「明日は遅い勤務だから、病院行って正確な診断をもらって、
それから松浦中佐に報告するわ」
「それ、俺も一緒に行く」
「あなた、時間大丈夫なの?」
「休み入れてきた」
「・・・嬉しい。私が言うのって、ちょっと、ね」
「それくらい、やるよ」
未沙は輝に寄りかかる。
輝も未沙に頭を寄せた。
「10月か」
「あっというまになっちゃうような気がするわ」
輝は、一度体を起こし、未沙の腹に耳を当てる。
「動くようになるのは、まだ先よ」
「わかってるけど、なにか聞こえるかと思って」
未沙はくすくす笑いながら、輝の髪に触れた。






   fin





<14.Feb.'12>





 * パーメモを始め、年表等に未来誕生の記録が残っているということは、
   最初の航宙で生まれてるはずだよなぁ、と書いてしまいました。
   
   輝と未沙がしあわせなのに、メガロード01が消息を絶つってくだりが、
   非常に解せないというか、やるせないのです。
   幸せだからこそ、辛さ倍増だわ!
   新作作るなら、是非その辺はなんとかしてほしいと切望します。

   
   
   
   
     



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No title

> ぱよぷーさん

嵐の前の静けさ、ってところでしょうか(笑)
生まれてしまえばねー、
食ったも飲んだもねえ暮らしが待ってますからね~(遠い目)
夢見れるときに、夢見たほうがいいよね。

そして太字の件ですが、お返事書きはじめたら
えっらい長文になったので(苦笑)後ほど改めて記事立てますね。

新作がどんな話になるのか、興味ありますが、
アニメの観方を忘れてしまったようなので、
ちゃんと見られるのかが心配です(苦笑)
…といっても、今月末にWOWちゃんで放送される
『スカイクロラ』は見る気満々ですが(*´ω`*)
(原作が好きなの~♪)

No title

> ゆばさん

クリスマスがアレだから(苦笑)、
バレンタインくらいは、あまーくすごしてほしかったの~(#^^#)

二度目の航宙後、行方不明だかなんだかにされてしまうわけで、
でもその時は未沙が指揮を執っているとなれば、
やっぱり早めに生まれてたのかなあ、って、こんな時期にぶつけてみました。
グローバルもクローディアも、マックスもミリアも、未来には会えてるよね!
なんか、そこばっかり気にかかるメガロード就航後(笑)

No title

> VF-4さん

まだまだ、おさかなちゃん状態です~(笑)
誕生までですか~、なかなか難題ですよ(大汗)
またひょこっと出てくるかもしれませんので、
待っててくださいね♪

プロフィール

vt-102

Author:vt-102
ぶい、と申します。
30年前、夢中になった
『超時空要塞マクロス』
WOWOWの放送を見て、
当時の思いが蘇って大変中。

戴いたコメントは、すべて非表示にしています。

SSの目次を「SS menu」としてリンクに張り付けました。
ご活用ください♪

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