SS <what do you say?> 3

フォールドすると、時間の進みがゆっくりになると未沙が
「ファーストコンタクト」で言ってました。
というわけで、ミリア艦のなかと、地球に降り立ったマクロスとでは
ちょっとだけ時間の流れが違ったのだな、と考えました。
SFがわからない私の精一杯です(汗)

楽しんでいただけたら、うれしいです。




*戴いたコメントにお返事しました。(6/29)(7/1)(7/5)(7/16)(8/6)












      <3>






ゼントラーディにいた捕虜が、マイクローンの艦にいる。
マックスが述べた事実は、ミリアを激しく揺さぶった。
正しい状況を掴むために、例の画像を完全に再生できるよう部下に命じたが、
メインモニターでマイクローンが繰り広げた一幕は、
メルトランの兵士たちの心を激しく揺さぶり、
呆然としたまま立ち尽くす者は少なくなかった。
それでも皆、徐々に正気を取り戻し、任務に戻っていく。

ガラスケースの中では、マックスが今までにない沈痛な面持ちで、
何も映らないメインモニターを眺めていた。
恐怖とは違う、憂いを帯びた様子は、見ているだけで自分も切なくなる。
「お前はなんでそんな顔をしているのだ?」
マックスはゆっくりとミリアを見上げる。
「さっきの三人のことを考えていた」
「愉快な状況ではないことくらい、私もわかる。
繰り返すが、なぜ、あの女は男に抱きついた?
お前たちの間では普通のことなのか?」
目を伏せてマックスはため息をつき、ふたたびミリアを見つめた。
「抱きついた彼女は、彼のことが好きなんだけど、
彼はもうひとりの女性を愛している。
それが本人たちだけでなく、みんなにもわかってしまった瞬間だった」
ミリアは首をかしげる。
「女が男を好きになる?愛している?なんだそれは?
そんな莫迦なことが・・・」
「僕らの世界では、ごく自然なことだ。
男が女を、女が男を好きになる。
その想いが通じ合うと、ふたりは一緒にいられる。
そうやって僕らは生きてきた。
僕が生まれる、ずっとずっと前からね」
まっすぐマックスに見つめられ、ミリアにはえもいわれぬ感覚が生まれた。
彼の言っている意味はよくわからないが、心臓だけが大きく鳴り続ける。
「自然な・・・こと?」
「そう。
君が知らないなら、これから覚えていけばいい」
彼は表情を和らげた。
ミリアの心臓は鎮まらない。
それどころか顔までが熱くなっていくのがわかった。


先ほどの映像の完全版が手に入ったことを、ミリアの部下が伝える。
事の全貌はマックスが予想したものと変わりがなかったが、
流れてくるメロディに女性兵士たちは驚き、目を見張る。
「これは・・・あのときの?」
力なく、口々につぶやきながら、画面に見入る。
「君が言ってたプロトカルチャーの力って、この曲のこと?」
マックスが問う。
「この音だろうと思う。
・・・男どもが、先に手に入れていたとは」
初めて聞くのにどこか懐かしさを感じながら、ミリアは応えた。
「お前の話といい、この音といい、
我々に全くなじみのないものばかりが飛び出してくる」

目立たぬように付き添っていた記録参謀が、声を潜めて彼女に告げる。
「おそれながら申し上げます。
わが軍には、プロトカルチャーには手を出すな、と、
古より伝わる戦闘マニュアルにあります。
これ以上深入りすることになれば、
芳しくない結末を迎えるのではないかと思われますが」
「しかしラプラミズ司令からの命令は、文化の奪取だ」
「プロトカルチャーの力がこの音であるなら、
それを持っていないこの男を即刻始末するのが道理では?」
淡々と事実を突き付けられ、彼女は不服そうに眉を寄せた。
「これはまだ使える」
ミリアは短く言い放った。
記録参謀は頭を下げ、それ以上何も言わなかった。

ミリアはガラスケースに視線を戻す。
マックスは穏やかに周りを眺めていた。
翻訳機がカバーしていた範囲で、
自分の生死にかかわる話が繰り広げられても、
取り乱す様子は微塵もなく、なんとなくミリアは安心した。

そして安心した自分に驚く。
彼が命乞いをする姿など見たくないと、強く思ってしまったことを。

ガラスケースの中の彼と視線がぶつかる。
一度は治まったはずの心臓の昂ぶりが、戻ってくる。
不自然なほど唐突に、ミリアは頭を振った。
「どうしたの?」
優しい声でマックスは語り掛けてくる。
「だまれ!」
強く目をつぶったミリアは、マックスを連れていくよう命じた。


兵たちはいつもよりもミスが多く、
ミリア自身も本調子ではないからなのか、疲れが出てきた。
軽く休養を取るべくブリッジを後にし、
自室で寝台に横たわってみたものの、心の表面がざわざわと落ち着かない。
寝返りだけを打ち続け、苛立ちだけが募った彼女は、勢いをつけて起きあがる。
二、三回軽く頭を振り、手櫛で長い髪の流れを整え、自室を後にした。










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No title

> ゆばさん

今回は「月刊」にならなかった~(^^)v
そして、そんな風に思っていただけて、ほんとにうれしいっ(#^^#)
詳細を考え始めると、謎が深まるばかりなので、
もう、勢いでいっちゃおうかと腹をくくったところです。

ところで、巨人化したマックス、言葉どうしたんだろう?
翻訳機使ってるのかな~??

No title

> ぱよぷーさん

あの決戦に間に合わない~っ、と
私は非常に焦っています。
ほんとにね、すごいことだと思う。
短い時間で、マックスがでかくなるということは。
信頼がなければ、絶対無理だし、
マックスちっちゃいままなら、ちゅーもできないではないか(笑)

No title

> あまみさん

すごいお言葉をありがとうございます!
映像で見たいなんてぇぇぇっ!!
マクミリになっているのか、それが一番不安だったので、
ほんとにうれしいっ(#^^#)

既成概念にとらわれないマックスだから、メルトランに囲まれても、
ミリアが一番美人、とか思ってたらうれしいな~(笑)
巨人だから、マックスにはなんでもアップで大きく見えるわけじゃないですか。
それでも綺麗、とか、見とれていてほしい。←どれだけ自由な!!

マックスとミリアと向き合いながら、この恋が周りに与えた影響を考えると、
二人はやっぱりタダモノではないなあ、の一言に尽きますが、
そこに落としたくない!とあがいています。
続き、がんばりますね!

No title

> VF-4さん

恋が始まっているように感じていただけたなら、本望です。
ほんとにあの短い時間に、なにがあったのでしょうね。

No title

> 敦賀屋バボさん

夜這いできる大きさだったらいいんですけどね~(笑)
まだまだマイクローンですよ。

難航していますが、頑張ります。
プロフィール

vt-102

Author:vt-102
ぶい、と申します。
30年前、夢中になった
『超時空要塞マクロス』
WOWOWの放送を見て、
当時の思いが蘇って大変中。

戴いたコメントは、すべて非表示にしています。

SSの目次を「SS menu」としてリンクに張り付けました。
ご活用ください♪

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