SS <way home>

メリークリスマス♪
楽しい聖夜をお過ごしになりましたか?


さて、SSをUPします。
TVシリーズ最終回の後の話です。

私がマクロスを見て、想像したことを基にしておりますので、
いろいろ不都合、不具合が出てくることもあると思いますが、
さらり、と読み流して、楽しんでいただけるとうれしいです。

三人称で話書くのが初めてだったので、不自然なところもありますが、
ちょこちょこ修正する予定です。
・・・もう、このタイミングでUPしないと、きっとできない(汗)


それでは どうぞ♪


* 戴いたコメントと拍手コメントに返信をさせていただきました。(12/27)(12/29)(1/1) 
 
<way home>



カムジン一派の猛攻を受け、マクロスは大破した。
管制室が使用不能になり、ブリッジに機能を移したが、
通常業務を行うように切り替える作業が予想以上に手間がかかった。
非常事態とはいえ、マクロス本体に負荷をかけすぎたのだ。
しかし交代要員も出勤し、
未沙が仕事に区切りをつけられたのは日付がかわろうとする頃。
おつかれさま、と挨拶を残してブリッジを後にする。

破損したままの廊下を歩いていても、疲れているはずの足取りは心なしか軽い。
通用門にさしかかるころ、探していた顔が見え、胸が高鳴った。
「おつかれ」
輝は壁に寄りかかっていた体を起こす。
「おまたせ」
未沙は微笑んだ。
「いつ来たの?」
「ほんのさっきね。
もっと待たされるのを覚悟してたけど、思ったより早かった」
二人は並んで歩き出した。

一歩外に出ると、息は白くひろがる。
気候が変わったとはいえ、
やはり1月のアラスカは足元から冷気が上がってきて、夜の寒さはきびしい。

そして今日の戦いはマクロス周辺の街にも甚大な被害をもたらしていた。
深く傷ついた街に雪は舞い降る。
ここに人が住んでいた。
今日の朝も、人々はここで普通に暮らしていた。
「こんなこと、いつまで続くんだろう?」
「第二、第三の<カムジン>は出てくるでしょうね。
環境が違うもの同士の共存が難しいのは当然なんだけど、
ブリタイ司令やエキセドル参謀みたいに折り合いをつけてる人もたくさんいるし。
政府も軍も、まったく効果のないことをやっているとは思えないのだけど、
どうしても置き去りにされたり、
後回しになったことのツケが吹き出してしまったみたいで、後味悪いわ。」
「そんな一気になにもかも変えようなんて、無茶なんだよ」
「無茶でもやらないと変わらないし・・・」
やるせない気持ちで堂々巡りの話を続ける。
本当は違う話をしたいのに、切り出せるような場所ではなかった。
幸せになることがいけないことのような、そんな気持ちにさせる空気。
呑み込まれることと、痛みを理解し、良いほうに変えていこうと努力することは違う。
二人は懸命に耐える。
―――なによりも、大切なひとを泣かさないことが一番大事。
輝は、以前よりもほっそりとした未沙の横顔を見ながら、思う。

雪は静かに傷ついた街を白く包み込んでいった。


宿舎のあるエリアは被害は少なかったらしく、
近づくにつれて見慣れた光景が広がっていく。
ふたりは次第に肩の力が抜けていくのがわかった。
誰も通らない真夜中の道路は真っ白に染められている。

「ね、今日、泊まってかない?」
話が途切れて沈黙が流れ出した頃、輝が切り出す。
「・・・もうすこし、一緒にいたいんだ。話したいし」
輝は赤くなりながら言い訳じみた言葉をつけたす。
こくん、と未沙はうなずいた。
「俺んち、行・・・あ!」
ミンメイ、泊まったまんまだ・・・
未沙は輝が口ごもった理由がはっきりとわかったうえで言い放つ。
「・・・私は行ってもかまわないわよ?」
ちいさいとげが混ざった声に、輝はひやりとした。

昨夜までの辛さが蘇って、未沙は切なくなる。
でも、それは終わったことだ。
いつまでも引きずっていちゃ、いけない。
傍らには未沙の膝丈くらいの高さの街路樹があった。
歩道と車道の境界の役割を果たしている。
未沙は顔をそむけ、すね気味にその木々を撫でる。
「片づけるから、ちょっと待っててくれれば!」
畳みかけるように輝は言いながら未沙をのぞきこむと、
つめたい塊が鼻っ柱にあたった。
「これで帳消しね」
未沙は走り出す。
濡れた顔をぬぐうと、輝も雪をつかんで投げつけながら追いかける。
輝の腕の中に捕えられても未沙は器用に抜け出して、つかんだ雪を投げた。
煙幕のように広がる雪をさけ、再び輝は追いかける。
抑えようと努めていても、動く合間に歓声は漏れ、二人は笑顔で駆け回る。
無心に目の前のことだけで腹から笑ったのは、本当に久しぶりだった。

突然、通りに面した家の灯りがともる。
未沙は正気に戻り、輝を道の端にひっぱる。
「はめ外しすぎちゃったわね」
顔を見合わせると共犯の笑みを浮かべ、また並んで歩き出す。
どちらともなく手をつなぐと、雪のせいで手指が冷たい。
「ちょっとまって」
未沙はポケットから毛糸の手袋を取り出す。
「入らない?」
「やってもいいけど、伸びちゃうよ」
「いいわよ、編みなおすから」
輝はまじまじと未沙を見つめる。
「そんなことできるの?」
「失礼ね!・・って・・・え?知らなかったの!?」
表情がクルクル変わる未沙に、輝は優しく微笑む。
「ずっと近くにいたのに、知らない未沙がいっぱいいそうだ」
ふん、と未沙は首を傾げる。
「あなたが鈍すぎるのよ」
しかし、ザクリと言い放った未沙も、
輝のことをどこまで知っているのか不安になった。
少し言い過ぎたかもしれない、と思い直し、
繋いでいない方の輝の手に手袋をはめてみる。
「・・・やっぱり無理かしら?」
「いいよ、ほかのやり方であったまるさ」
輝は未沙の頬を片手で包む。
冷たさに一瞬首をすくめるが、
なじんできた肌はお互いの内側からの熱で温かくなっていく。
未沙は輝の掌に頬をもたせかけ、瞼を閉じた。
「私もまだ、あなたと一緒にいたいから、うちに来ない?」
ゆっくりと目を開け、輝を見つめる。
「あなたの家は、この次にしましょう」
目をまん丸く見開き、赤面しはじめる輝を見て、
未沙は自分の発言の大胆さに気付いた。
そしてそのまま輝の肩に顔を隠す。
「・・・うん」
輝もしなやかな髪に顔をうずめた。

どちらともなく身を離して、微笑みあう。
二人の顔から赤みは消えていた。
そして何気なく後ろを振り返った輝が、声を上げた。
「あ、なんかいいかも!」
真っ白だった雪面は、濃いグレイの足跡が筋を作り、ふたりの足元まで続いている。
「今は並んでるけど、あの辺でぐちゃぐちゃで、
あそこにでっけー穴があって・・・あんた、転んだでしょ!」
「んもう!ちがうわよっ!!」
未沙は輝を小突く。
駆け回った跡はここから眺めてもでたらめな落書きのようで、
青白い街灯に照らされて凸凹に浮かび上がっている。
未沙は目を細めた。
「まるで私たちの来た道みたいね。離れたり、転んだり、くっついたり」
マクロスの進宙式で出会ってから、
未沙が想いを告げ、輝が受け止めた昨日、
そして二人ですごす今。
近づいては離れ、近くにいても遠い、もどかしい時間もあった。
「これから先もいろいろあるんだろうな」
輝はつぶやく。
「二人だったら、なんとかなるわよ」
未沙が応える。
「一緒に行こう」
ん、と未沙は首をかしげる。
「どこまでも。二人で行こう」
そういうと、輝はつないだ手に力を込めて握り直し、コートのポケットに入れる。
ええ、と応える未沙はうっすらと眦に涙を浮かべながらも、凛と顔を上げる。
つないだ手から伝わる温もりをいとしく思いながら、
二人は未沙の家への道を歩き出した。





Fin
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

来ましたねー。

こんにちはー♪
SS来たぁぁ!と誰もいない休憩室でニヤニヤ読みました♪
やっぱり最終回の後って、何があったのか妄想想像が目一杯働くとこですよね~♪
続きはあるんですか?あった方がワクワクします。もー邪魔者はいないんだしィ。

‥ではでは、次の作品も楽しみにしてます♪

素敵でした〜♪

ぷい様、こんばんは。
シンプルでサラリとした文章や会話なのに、輝未沙っぽさや情景が見え、素敵でした (^ ^)

私的には、壁に寄りかかって未沙を待つ輝にモエ〜♡、でした。
好調な1作目に、これからの作品も楽しみにさせて頂きますね。

No title

> ぱよぷーさん

続き・・・ある、かな?(大汗)
バラバラな部品はあるけど、くっつきませんっ(/_;)

ぱよぷーさんのお昼の憩いになれましたか!?
うれしーいっ♪
最終回の後から、メガロード就航、未来ちゃん誕生、
この辺がどうつながるか考えると
ニヤニヤ度UPで不審者間違いなしの私です。

No title

> にゃおさん

らしい、とおっしゃっていただけて、うれしいです~(#^^#)
まだまだ至らない筆力で、修行不足を痛感してます。

そして、にゃおさんにモエ~、を差し上げられてよかった~♪
輝は目立たなそうにしてるつもりでも、何気に注目されていて
「早瀬少佐待ってるのね」「てことは、仲直りしたの!?」
と、ヒソヒソささやかれていてほしいですね~(笑)

No title

> myさん

コメント二回もありがとうございます♪
リアルではまったとのことですが、同世代ですねヽ(^o^)丿
つたない文ばかりですが、また遊びに来てください。
これからもよろしくお願いします。

No title

> 拍手コメント ゆばさん

こちらこそ、たくさんありがとうございます!
私もマクロの空まで吹っ飛びました(笑)

輝と未沙にみえるかどうか、
そこのところがとても気になっていたので、ほっとしました。
またひっそりとSSをUPできたらいいな~、と
本気で思ってるんですが、バラバラ部品が合体しません~(涙)
お言葉を励みに頑張りますっ。


No title

> のんきな母 さん

はじめまして~♪ コメントありがとうございます。
ファミリー劇場というと、スカパーでしょうか?
一挙放送、盛り上がっちゃいますね~(#^^#)キケンです!!

ひらぱーの件はちょっとわからないです(汗)
なにせ出遅れた熱病の発症でしたので、
イベントすべてに間に合わず、非常に残念でした。
バルキリー乗りたかったよう、って泣きました。

未沙は私と対角線の反対側にいるようなタイプなので、
非常に理解しにくい部分があります。
難しいです。
それだから余計に気になります。
というわけで多分わかってないと思われますが、
向き合ってやっていきたいです。

これからもよろしくお願いします。

No title

うきゃ~~~~~~~v-238萌え萌えですサイコーですぶいさん天才です!!
こんな二人を読みたかったよ~~~~v-238これからもSS熱望してます!!

No title

> michyさん

あけましておめでとうございまーす♪

雪遊びしてる帰り道ですが、喜んでいただけてうれしいっ💛
そして天才はmichyさんですって!!(大汗)

今年もよろしくお願いしまーすっ。
プロフィール

vt-102

Author:vt-102
ぶい、と申します。
30年前、夢中になった
『超時空要塞マクロス』
WOWOWの放送を見て、
当時の思いが蘇って大変中。

戴いたコメントは、すべて非表示にしています。

SSの目次を「SS menu」としてリンクに張り付けました。
ご活用ください♪

最新記事
カテゴリ
最新コメント
リンク
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム