SS <this night> 2

新年ももう一週間経過。
普通の毎日に戻りましたね~。

その一週間、頭を抱えてたのがコレ。
<this night>1のコメント欄にも書いたのですが、
私はミンメイのアルバム、赤い表紙だと思っていたのです。
念のため、『マイ・アルバム』見直す。
そしてそのままはまりこむ(苦笑)
・・・どんだけ好きなんだ。

と、いうわけで続きです。
そんなに期待しないで、さらり、と読み流していただけると嬉しいです。

あくまでも私の想像で書いていますので、
ご理解のほど、よろしくおねがいします。


* 戴いたコメントと拍手コメントにお返事させていただきました。(1/9)(1/10)
  たくさんありがとうございます。うれしいです(#^^#)


<this night> 2



ソファに座り、改めて渡されたアルバムを開くと、
地球に降りてから、二人ですごした時間が写っていた。
自分が無防備な顔をして輝を見ていたことに照れてしまい、
ぱたん、と音を立てて閉じてしまうけど、気になって、再びページを繰る。
-----私の知らない私を、彼は見ていたんだ。
そう思うと、温かいきもちが体中を満たしていく。
掃除の最中に見つけたミンメイのアルバムに対抗して、
自分の写真を渡したことが、ちょっとだけ恥ずかしくなった。

「やっと見せられた」
繰り返しページをめくり、何度も見直しているとき、
タオルで頭をごしごしこすりながら、輝は出てきた。
「こんなに・・・。驚いたわ」
頬はまだ、すこしだけ熱い。
「なかなか機会がなくてさ・・・」
輝は私の隣に座った。
「もっと早く見せておけばよかったって、何度も思ったよ。
未沙、こわくなっていくしさぁ。
・・・怒らせた俺も悪いんだけど」
ふわりと漂う匂いが、ふたり、おんなじ。
「よく写真を撮ってるのはおぼえていたけど、見せてもらったことないし、
あなたのことだから、データのまんまカメラに入れっぱなしだと思ってたわ」
「消していないのもあるから、当たらずとも遠からず、ってところだね。
でもさ、やっぱりアルバムにしたいじゃん?こういうのは」
「どういう意味?」
「記念っていうか、思い出っていうか・・・」
ちょっとだけ赤くなった輝は鼻の下をこする。
「特別っぽくない?」
特別、その言葉に、私の胸が、どくん、と跳ね上がる。
照れくさくなって、二人、ちょっとだけ離れた。

ふうっ、とため息をついて、輝は真顔になった。
「今朝、君に言われるまで、実感が持てなくてさ」
輝は目を伏せる。
「・・・未沙は火星で亡くなった人のこと、まだ忘れてないんだと思ってた。
工場衛星奪取計画の時も、写真持っていくくらいだしさ」
あのとき、輝は写真について、なにひとつ触れなかった。
気にならないのでなくて、『口にできなかった』ことに、私はやっと気づく。
しかし私にも『言えなかったこと』はある、
そんな気持ちが強く湧き上がった。
「あなたのなかにはミンメイさんがいたじゃない。
部屋にもポスター貼って、おまけにプライベート写真まで。
たった一枚の写真で、そんなこと言われるの?」
輝は口を閉ざした。
思ったより自分の言葉が強かったのは、
ほんのわずかでも輝に対して後ろめたさがあるから。
彼女のことを持ち出すつもりはなかったのに、
自分をかばってしまったことに気付く。
「・・・ごめんなさい。言い過ぎたわ」
ああ、とあいづちを打ったが、輝の表情は硬い。

「ねえ、輝。
私たち、似ているのかもしれない」
「似てる?」
「一番知りたいことは、聞けないんだもの」
聞けないくらい、知りすぎていた。
輝のミンメイに対する想いを。
私がライバーに抱いていた気持ちを。
だから、どこかに逃げ道を作りながら歩いていた。
共に歩きたいと願いつつも、言い出せずに。

輝はため息をつき、そして顔を上げる。
「・・・いやだよ。
君の口から、彼のことがでるのは」
そして私の顔を見つめる。穏やかな瞳で。
「同じ思い、したんだろ?」
私もうなずいた。
「いや、もっとキツかったね」
やさしい言葉にくちびるをかみしめる。
「・・・ミンメイとはやってない。
信じてくれる?」
言いづらそうに、しかし、きっぱりと言い切った。
そしてつらい想いがこもった、大きな瞳がゆれる。
「ごめん」
辛かった時間は、ゆっくりと溶け出す。
泣きはらした夜も、心が焼けきれそうだった時も、
みんな思い出にしてしまおう。
痛みは輝がわかってくれている。
「・・・もう、いいわ。過ぎたことよ」
「うん。でも・・・ごめん」
彼の膝の上の、きつく組まれた両手の上に、私のてのひらを重ねた。
「私も大人げなくて、みっともなかったし
・・・素直になればよかった」
輝は組んだ手を解いて、重なっていた私の手と組みなおす。
さっきまでとは違う、あたらしいあかるい色を帯びた瞳は、優しく微笑んだ。
そして名前を呼ばれ、くちびるはふれあう。

やさしいキスを繰り返していくうちに、身体は倒されて、真上に輝の顔がある。
「嫌ならやめるよ」
少し戸惑った私の気配を読んだ輝は、静かに言った。
私は気持ちを言葉にのせる。

「いやじゃ・・・ないわ。あなたが好きよ」

くちびるはすぐにふさがれた。
息もできないほど、激しく。


『自分をぶっ壊してみろよ!』
こぼれ落ちる音にまぎれて、フォッカー少佐の声が聞こえたような気がした。





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未沙の幸せ

ようやくお互いの想いが繋がりました。未沙の本当の幸せの始まりです!
この幸せ状況に悶絶です。

No title

> 拍手コメント ぱよぷーさん

ありがとうございます♪
そんな風におっしゃっていただいて、うれしいです~💛
輝も未沙も、この日くらいは幸せに溺れていいさ~っ、って思います。
でも実際は疲れて寝ちゃってたりして・・・ソファで頭くっつけて(笑)



No title

> VF-4さん

悶絶していただけるほど実力がともなっていなくて、恥ずかしい限りです(汗)
ふたりが仲良くしていれば、ほんとにうれしいですよね~♪

No title

> myさん

うれしいです!
私もmyさんのお考えと同じです。
そしてライバーはお亡くなりになってるから、
生身の人間の輝としては、途方に暮れちゃう。

そして、やってたら、絶対あっちだったと(苦笑)

ミンメイにキス。
まだ転職を強く勧められる前だからできたのかな~?とか思います。
「帰ってきてくれて、よかった💛 あなたが無事でよかった💛」
程度ならきっと・・・(怒)
一週間以上もネチネチ転職薦めてくれてよかった。
ミンメイ、ぐっじょぶ!

ご期待に応えられるよう頑張りますが、逃げたら許してください(汗)

No title

> ゆばさん

おいしくいただいていただけて、うれしいです!!

ライバー、ほんの少ししか登場していないのに、でかい存在ですね。
何年かたっても思い出して泣いちゃうくらい好きなんだ、って思ったら、
手出しできなくなっちゃいますよね~。
強引に振り向かせられるなら、マクロス成立してないし(苦笑)
てか、中学生なのに男で人生決めてる未沙って・・・実はすごいかも。

この先ですか(大汗)
頑張ってみます・・・はい(涙)
逃げたら笑ってくださいね。


No title

> のんきな母 さん

男の人って、静かに妬くじゃないですか!
人前で堂々と妬くのは俺様キャラくらいで(笑)

そしてミンメイとクリスマスに一線超えてたら、
未沙を選ばなかったと思うんですね~。
なんかそういう律義さを感じちゃったので、
・・・やらかしてしまいました💛

みなさん、ほんとにすばらしいですよね~♪
ほんとに私もうらやましいです(#^^#)




プロフィール

vt-102

Author:vt-102
ぶい、と申します。
30年前、夢中になった
『超時空要塞マクロス』
WOWOWの放送を見て、
当時の思いが蘇って大変中。

戴いたコメントは、すべて非表示にしています。

SSの目次を「SS menu」としてリンクに張り付けました。
ご活用ください♪

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