SS <this night> 4 (完)


・・・ふうっ。
なんとかFINを打つことができます!

この一つ前に<3>があるのですが、
読まなくても続きますので、ご安心くださいね。

あとがきみたいなものは後日UPしますので、
とりあえず、どうぞ♪




*戴いたコメントにお返事しました。(15/6/9)









<this night> 4




目覚ましが鳴り始める、かすかな気配を感じてベルを止めた。
ゆっくり目を開ける。
背中に感じたぬくもりを気遣いながら、静かに体を滑らせてベッドから降りた。
カーテンのわずかな隙間から差し込む光が、自分の素足と、床に散らばる衣類を浮かび上がらせ、
昨夜のことに現実味を与え、少し照れる。
そして手早く身支度を整えて、ベッドを覗きこむと、輝は無邪気な顔でぐっすりと眠っている。
安心しきった様子が、無性にうれしい。

そっとドアをしめる。
キッチンへ向かおうとなにげなく視線を走らせると、なにか違和感があった。
もう一度ゆっくりと視線を戻すと、
両親との写真を飾っているコーナーのフォトフレームがひとつだけ伏せられていた。
前にポスターをさかさまに貼った仕返しをされたようで、笑みが零れる。
そっとひっくり返して、やさしくなで、小物を仕舞う引き出しに入れた。

朝食のスープが出来上がるころ、輝は起きてきた。
「おはよう」
寝起きのかすれた声。昨夜を思い出させて、すこし動揺する。
「よく眠れた?」
「・・・久しぶりにぐっすりとね」
半分寝ぼけたような、無邪気さが残る顔で応えると、ソファに座ってあくびをした。
「早く顔、洗ったら?」
「うん」
返事はあるのに、気配がない。振り返るとまた目を閉じている。
「そこで寝るなら、ベッドに戻ったほうがいいわよ」
「はい、はい」
「返事は1回でしょっ」
「・・・朝からうるさいなー。もう。
昨日の未沙は、あんなにかわいかったのに」
ぶつぶつ言い始めたのが、私のカンに障った。
「なに、それ!?」
「すぐ怒るしさぁ。昨日の未沙にまた会いたい」
輝は立ち上がり、キッチンのほうまでやってくる。
振り返り際に抱き寄せられて、触れるだけのキスをする。
「でも、今日の未沙もかわいい」
そう言い残して、自分の荷物からカメラを取り出し、テーブルに置いた。
「持ってきたの?」
「うん」
「今撮るとか言わないでよ?あなた、頭、凄いわよ」
「直してからにするよ。まったく、自分ばっかりさっさと起きちゃってさぁ」
「さっきまで、その辺でだらだらしてたじゃない」
「目ぇ、覚ましてたんだよ。
起きてすぐなんて、動けるわけないじゃん」
減らず口をたたきながら、洗面所に消えていく。

ゆっくりめの朝の時間に、二人分の朝ごはん。

私は輝を呼ぶ。
「もうっ、冷めちゃうわよ!」
んー、と返事をしながら彼は出てきて、カメラを持つ。
「食べる前に撮っちゃおう」
そのまま食卓を一枚。
私を引き寄せて顔を寄せる。
「ほら!」
輝は腕を伸ばして、シャッターを押した。






fin





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非公開コメント

No title

> VF-4さん

ずばり、ビバ!マリアで登場したあの一枚ですよ(笑)
未沙自身は、この前日の朝は輝と別れるつもりでいたし、
ライバーの写真を片付ける余裕もなかったはずです。
そしてライバーに関しては、未沙は悪気もやましさもなく、
両親の写真の隣が定位置と、習慣になっていたんじゃないかな~、と
私は思います。
というわけで、輝の小さな抵抗でーす。
プロフィール

vt-102

Author:vt-102
ぶい、と申します。
30年前、夢中になった
『超時空要塞マクロス』
WOWOWの放送を見て、
当時の思いが蘇って大変中。

戴いたコメントは、すべて非表示にしています。

SSの目次を「SS menu」としてリンクに張り付けました。
ご活用ください♪

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