SS <・・・yes.>後編

節分ですよ~。
明日から暦の上では春ですね。
私の住んでいる地方は、今年は暖かくて過ごしやすいです。
このままほんとに春になってほしい。
もう、雪とかいらないから!!
・・・なんて言ってると、ドカンと降りそうで嫌なんですが。


ちなみにこの話、私が初めてカタチにしたマクロスのSSです。
<way home>とどっちをUPするか、迷った末、あっちを先にしました。
そしてこの話、この先も行き場をなくしそうだったので今回踏ん切りました。
というわけで、かるーく読み流してくださいね♪


追記: 上記のようなことを書いたので、翌日から寒波、来ました(失笑)


* 戴いたコメントにお返事をさせていただきました。(2/5)(16/7/24)






<・・・yes.> 後編




暇を告げて外に出ると、いつのまにか雨が降り出していた。
傘を借りて、夜に踏み出す。

誰にでも死が訪れるし、
こんなことをしていれば明日どころか、次の瞬間もわからない。
そんななかではっきりとした<カタチ>がほしいのは、私のわがままなの?
あなたは違うの?
思い浮かぶ顔に問いかけても、当然答えはない。


気が付けば足は通いなれた輝の家へ向っている。
眠りにつく前に会いたい。
こんな気持ちのまま、明日を迎えたくない。

しかし、灯りは消えていた。
雨脚は強まっていく。



勢いはそがれ、ため息をついて家路をたどる。
ちょっと出かけただけかもしれないから、鍵も持ってるし、
入って待っていればいいのだけど、飛び出した手前、そんな気分になれなかった。
頭と心がずれている、扱いづらい自分に呆れた。
今日会えば、またケンカになるからよ、きっと・・・
不安を打ち消すように自分の都合のいいほうに解釈して、足を速める。



前方から水音を立てて、誰かが近づいてくる。
次第に大きくなる影は、一番会いたいひとに似ていた。



「・・・今頃!」
息を弾ませた輝は体を二つ折りにすると、荒い息を整え始めた。
頭からつま先まで濡れている。
私は傘をさしかけたが、しずくは輝の背中に落ちて、軽く焦ってしまう。
「ここまで濡れたら変わんないよ」
つっけんどんな物言いに私の心も引っかかれた。
「そんな言い方ないで・・」
「どこ行ってた?」
濡れた髪をかき上げながら顔をあげた輝は、硬い声で問う。
この角度からは見慣れない額。
いつもと違う輝にちょっと戸惑ってしまう。
「クローディアと映画見て、ちょっと飲んで、それから彼女の部屋で・・・
って、それより風邪ひくわよ!」
「くそっ、入れ違いか!」
くやしそうにつぶやくと、輝は真正面から私を見つめる。
「今、これだけいわせて」
そういうと小さく深呼吸をした。つられて私は息をのむ。



「愛してる」



雨音が聞こえなくなった。


持っていた傘を落としたらしい。
輝が慌てて拾い上げ、さしかけてくれながら、鼻の下をこする。
「・・・いままでちゃんと言葉にしてなかった」
「もう一度言って?」
「やだね。何度も言えないよ」
すると輝は、傘を私に手渡した。
ポケットをまさぐりながら、あいている私の左手をつかみ、
銀色に輝くリングを薬指にはめた。
「これ見て思い出して」
頭の中が真っ白になり、足が震える。立っているのがやっと、だ。
「えっ・・・」
輝はゆっくりとうなずく。
「受け取ってくれる?」
優しい目で私を促すが、言葉がでてこない。
「・・・私が思った通りの意味でいいのかしら?」
「うん。ようやく渡せた」
照れくさそうにそっぽをむく輝を抱きしめる。
傘はまた音を立ててころがり、雨は私たちをやさしく包み込む。
「ありがとう・・・」
言いたいことはたくさんあるのに、こみあげてくる想いで言葉が途切れる。
頬に、肌に触れる輝が冷たくて、でも触れてる部分に私のぬくもりが移る。
「もっと早く言えればよかったんだけど・・・ごめん」
小さく低い声で、ぶっきらぼうにささやかれ、
私の涙は余計にとまらなくなってしまった。

「ともかく家、行こう。もう未沙までびしょ濡れだ」
輝はそっと体を離すと、軽くくちびるをかさねた。
そして再び放り投げられた傘を拾って差し掛けてくれ、
空いた手で私の頬を撫で、涙?雨?どっち??と、笑った。





Fin




back <・・・yes.> (前編)

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非公開コメント

幸せの中の未沙

ぶいさん、サイコーです。
個人的にこのシーンに会う歌が、今井美樹さんの雨にキッスの花束を連想してしまいます。
クローディアは恋人までの経験で、未沙はその先の経験をするから助言は出来ないけど、思い人がいつ死ぬかわからない状況で一日一日を大事にしなければなら無い事を良く知っているのはクローディア本人ですからね・・・・
喧嘩出来る相手が居るだけでも幸せという事ですかね・・・・
今後も楽しみしています!

No title

> ゆばさん

うひゃーっ♪
喜んでいただけてうれしいですっ!!

輝、男前でしたか!?
ほんとによかったよ~(涙)
好きなのに、かっこよくしてあげられなくて悪いなあ、と、
いつもすまなく思っていました。
世間並みのかっこよさが似合わんというか・・・
不器用な、男くさいかっこよさが目標です!
スマートなかっこよさはマックスに任せよう(笑)

某国ドラマにはまっていたころ、
20数話見て、主人公にも思い入れ十分で、
もう、こりゃ、幸せになるじゃん♪安心だわ~ってところで、
いきなり出てきたトラックにヒロインともども轢かれてしまったトラウマが
私にこういう結末をつけさせたがる原動力になってます(苦笑)

そして、ゆばさんちの「1122」のシリーズが憧れなんですが、
実は指輪をゴールドにするか、シルバーにするかで、
二晩くらい悩んじゃいました。
今年も楽しみにしていますね~💛





No title

> VF4さん

懐かしい名曲ですね~!
久しぶりに思い出しました。
「やっと言ったな、コイツ」ってセリフがあったような(笑)
「スクランブルのど真ん中」って歌詞がありましたが、
マクロスでは、違う意味の「スクランブル」
スカルリーダー、発進する前にプロポーズか~、とか、
想像してニヤニヤしてしまいました。
「バカ言ってないで、さっさと行きなさい!」って
怒鳴られて終わったりして(苦笑)

クローディアにも新しい出会いの気配くらいあればよかったのになあ、と
しみじみ思ってしまいます。
ほんとに幸せになってほしいです。

No title

> misarinさん

そんな状況だったのですね~(´Д⊂ヽ
前向きというより、
私は渡り鳥のような仕事の仕方をしているので、
どんなに楽しくても、居心地よくても、
期限が来たらサヨウナラなんですよ。
だから、すごーく嫌でたまらないところも
「あと〇日!」ってヤマトのように過ごしました。
楽しくても、そしてすごく嫌なところでも、
時間が経てば終わるんだ、と
堪えられるようになったのは、やっぱり年の功なのかな(笑)
無理にポジティブになろうとすると、疲れが倍増なので、
楽しみを見つけて、ゆるゆるいきましょう♪

前のを読み返して戴いたなんて、うれしいです!
<・・・yes>は、勢いに任せて書いてしまった話です。
SSを書く上で、
輝の(年齢に見合う)成長と環境の変化を
(一応は)考慮していくのですが、
この話は「やさしさサヨナラ」から
ほぼ変わらない印象をぶつけました。
というわけで、あんなかんじに(笑)
一条輝というひとは、そういうところでは不器用ですよね!
そんな彼が、私は大好きです!!

そして一日も早くSSがお見せできるよう、がんばりますね(^_^)/
プロフィール

vt-102

Author:vt-102
ぶい、と申します。
30年前、夢中になった
『超時空要塞マクロス』
WOWOWの放送を見て、
当時の思いが蘇って大変中。

戴いたコメントは、すべて非表示にしています。

SSの目次を「SS menu」としてリンクに張り付けました。
ご活用ください♪

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