SS <because> 1

大雪で困ってるところが出てると聞きます。
大丈夫ですか?
一日も早く、いつもの毎日になりますように。

我が家のインフル騒動もようやく収束。
ああ、やっと通常運転~\(^o^)/



今日から<because>始めます。
何度もこねまわして、そのたびに姿を変えていくこまった話です。
このままだといつまでも踏ん切りがつかないから、勢いでUP(汗)
自分に試練、与えてみます。

この話は、私が作り出した設定と人物が混ざり合って出てきます。
ご理解をお願いします。

このブログでの時系列としては、<彼女の彼>の後に入ります。
しつこいようですが<・・・yes.>はつながりませんのでよろしくで~す!

よろしかったら、楽しんでくださいね♪


* 戴いたコメントにお返事させていただきました。(2/20)







 <1>



2012年1月、人類播種計画が発表された。
それにともない、メガロード01を旗艦とした第一次長距離移民船団が編成される。
グローバル総司令から直々に艦長を打診されていた未沙は、
カムジンが引き起したマクロスシティ防衛戦の処理がひと通り済むと、企画室へ異動になった。

異動初日の朝、未沙がドアをあけると、若い男性佐官がいた。
「士官学校以来ですね」
左側の前髪の長い黒髪。
なんとなく蛇を思わせる切れ長の目に、逆三角形の輪郭をもつ整った顔立ちで、
人懐っこい空気をまとってはいるが、信用できないなにかを感じる。
「同期ですか?」
未沙は小首をかしげる。
「早瀬さん、僕はそんなに印象薄かった?」
大げさに嘆くような声をあげる彼に煽られるように、未沙の頭はフル回転で答えを探す。
「あんなにあなたに嫌われてたのに」
嫌い・・・?嫌うほど人とかかわった覚えもないんだけど・・・
あ。
不快感が伴う過去が鮮明に浮かびあがり、瞬間、顔がこわばった。
様子をうかがっていた彼は、大正解、と言わんばかりに笑む。
「松浦玲です。このたびはメガロード01の副艦長を仰せつかります。
あのときよりもマシな軍人になっていますんで、これからよろしくおねがいします」
未沙は驚きを瞬間でおさめ、あいさつを返したが、胸の波紋は広がる。
そんなやり取りをしている間に、次々とほかのメンバーも集まりだし、
新しい計画が動き出す明るい雰囲気を作り出しはじめ、
余計なことを考える余裕がなくなっていったが、
小さなとげが心に刺さったような感覚だけが消えずに残った。


「・・・で、そんなに嫌なやつなの?」
食堂で昼食をとっていた未沙を見つけた輝は、向かいに座り、山盛りのランチを平らげた。
それでもまだスプーンをくわえて、なにかものたりない、もう一品持ってこようか?という風情で、
未沙の話に相槌を打っている。
「嫌っていうかね・・・」
食欲がわかない、と言わんばかりに、フォークで付け合わせのニンジンをころがしていた未沙は、
手つかずのパンを輝に渡す。
「昔、あなたに言ったじゃない?男の人は嫌いって」
スプーンを置いて、輝は嬉しそうにパンを受け取る。
「うん、あったね、そんなこと」
ジャムかなんかない?と言いながら、輝は二つにパンを割る。
未沙がママレードの小さいパックを手渡すと、
これか、と鼻にしわを寄せたが、そのまま封を切って塗る。
「そう思わせた張本人よ」
輝はパンを置いた。
「なんかされたの?」
「・・・そんなんじゃないわよ。
士官学校なのにピアスして、制服は着崩してたわ。
講義中もふざけたりね。さすがに訓練はまじめだったけど」
ほっとした輝はパンを取り直し、一口かじった。
「なるほど、ね」
「それでも退学にならないのは、父親が軍の高官だからって、もっぱらの評判で」
「ふーん。君と同じだ」
もぐもぐ口を動かしながら応えた輝を、きつく未沙はにらみつける。
「あ、ごめんごめん」
「また重ねる!」
むっ、とし始めた未沙に、輝は残ったパンを手渡す。
「まあ、食べなよ」
やっぱ、腹減ってんだよ、と、のんきに微笑まれると、少し明るい気持ちになった。
「この後も一緒なんだろ?」
「これからしばらく、ずっと、ね」
あらら、と言いながら、ごちそうさん、と輝は手を合わせた。
「そのうち慣れるって。向こうはかなり年上だろ?バカなことはしないさ」
「だといいんだけど・・・・」
「仕事なんて、気にしてたらやってらんないよ」
「そうなのよね・・・」
わかっているのだけど、嫌なかんじはぬぐえない。
「珍しいな。未沙がそこまで引きずるなんてさ」
そして遠慮がちに輝は立ち上がる。
「食べてる最中にごめん。ちょっと気になるヤツがいるから、様子見に行くよ。
今日何時まで?」
「予定では7時前かしら。あなたは?」
「もうちょっとかかるかなあ・・・。終わったら行くよ。そのときまた聞かせて」
「了解」
じゃあ、と輝は踵を返した。
食堂の出口にたどり着く前に、ほかの隊員に声をかけられ、並んで歩いていく。
その後ろ姿がたくましく見えて、ちょっとだけ胸は高鳴った。
そして輝の背中が見えなくなると、ふうっ、とため息をついて、
未沙は渡されたパンと残ったスープだけ完食した。






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一波乱???

せっかく幸せとやりがいのある仕事を手に入れた未沙に新たな難問が?・・・輝もしかりしないと・・・
しかし、食事をしながら仕事の悩みを話しながらでも輝の食欲に無意識にパンを渡している未沙はすごいです。輝との相性ばっちりですね!
この先楽しみです。

> VF4さん

楽しく仕事できるかどうかは、一緒にやる顔ぶれに左右されますよね~。
さりとて仲良しグループだとグダグダになるし、
さじ加減の難しいところです。

未沙にとって輝のお世話はもう生活の一部になってるのかもしれませんね。
おねえちゃんっていうか、ママっていうか・・・(笑)
二年ちょっとの月日のたまもの、ってことで♪


この先、失速しないよう精いっぱい頑張ります!!
楽しんでくださいね。

プロフィール

vt-102

Author:vt-102
ぶい、と申します。
30年前、夢中になった
『超時空要塞マクロス』
WOWOWの放送を見て、
当時の思いが蘇って大変中。

戴いたコメントは、すべて非表示にしています。

SSの目次を「SS menu」としてリンクに張り付けました。
ご活用ください♪

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