SS <because> 4

やっと「FLASH BACK2012」のDVDをぽちっってしました~♪
早く届かないかな~。
ジャケットが気に入ったので、最初に出たほうにしました。

本題に入っていそうで入ってないような<because>も4回目。
未沙の誕生日に引っかけたい部分があるので、更新のピッチを上げてみます。

そしてこの回からしばらくは輝の視点ですので、
よろしくでーす。



* 戴いたコメントにお返事させていただきました。(2/24)(15/6/7)




<4>



あたたかい手が、やさしくゆっくりと背中を撫でる。
輝が顔を上げると、未沙は微笑んだ。
「つかれてるときは、いろんなこと考えちゃだめよ。
いい方向に行くことは、まずないから」
輝の顔は未沙の両手で包みこまれる。
「答えを出すことはできなくても、あなたの話し相手にはなれるわ。
つらいこと、教えて?」
昼間の様子は微塵も見せない未沙に、少しだけ輝はひがんでしまう。
「別にないよ。疲れただけだって」
まっすぐ見つめる未沙から、瞳をそらす。
「・・・ごめんなさい」
未沙は両手をゆっくり離した。
「よけいなこと、しちゃったわね」
彼女の膝の上で、こぶしは硬く握られていく。
しまった、と思った瞬間、輝は掌で未沙の手を包んだ。
「そうじゃなくて、未沙だっていろいろあるんだろ?
それなのに、俺のことなんて」
「もちろん私も聞いてもらうわよ。でも今は、輝のほうがつらそうだから・・・
あなた言ったじゃない。心の中も見せて、って。
だから私も知りたい。教えてほしい」
そしてゆっくりと瞬きをして、少し照れたように口を尖らせた。
「私たち、体だけの関係じゃないでしょう?」
顔を赤らめる未沙に、輝は吹き出した。
「もう!笑うことないじゃない!!」
輝は腹を抱えて笑いながら、むくれる未沙を見つめる。
「すっごくかわいい!」
「私は真剣なのに、ふざけないでよっ!!」
未沙の挙げた手をつかんで、唇をかさねる。
何度もかさねて、余韻をひくように音を立てて離した。
甘い表情を浮かべた未沙の額に軽くキスを落とす。
「お茶、淹れてくれる?熱いのを」
ええ、とうなずいて、未沙は立ち上がった。
キッチンに向かう未沙の背中に、輝は、さんきゅ、と小さく声をかけた。


湯気の上がるティーカップが二つ、テーブルに並ぶ。

「自分の言葉が、人の人生変えちゃったな、って」
「・・・だれのこと?」
「ミンメイアタック、なんて言葉ができたこと」
未沙はすこし上を向いて考える。
「私はあの場にいなかったから断言できないけど、
たまたま口火を切ったのが、あのときはあなただったってことでしょう?
遅かれ早かれ、誰かから提案はあったはずよ」
丁寧に、言葉を選ぶように、未沙は続けた。
「軍は強要したわけじゃないし、報酬も支払われたというし、
プロとして彼女が受けた仕事の一つなのよ」
「・・・そしてまた、利用するんだろ
手放した歌を、再びつかもうとがんばっているのに」
「それは彼女自身の問題よ。
第一、ミンメイさんがあの曲を歌うって、決まったわけじゃないわ」
きっぱり言い切る未沙に、輝ははっきりと不快の色を浮かべた。
「ねえ、私はどうすればいいの?
最初にあなたを指名したから、そのあともあなたに任務でキスさせてるわよ。
しかも『文化』なんて言われちゃうようになっちゃって・・・」
未沙は小さく笑う。
「はじめてだったのに・・・」
唇の端を触る小指が、すこし震えていた。

未沙の、女の子らしい憧れは『任務』になったことに、輝は今頃気づく。
そして自分にも同じような気持ちはあったのに、やはり『任務』で終わったことも。
輝は未沙の肩を抱いた。
「・・・みんな、いろいろあったね」
「ほんとにね」
自分の責任がどうとか、言うこと自体、おこがましくなっている気がしてきた。
生き残った者は、多かれ少なかれ、後悔を抱いて生きている。
輝は大きく息を吸い込んだ。
そして傍らの未沙を見つめ、少し不安そうな顔をした彼女に言った。
「ね、文化しようぜ」
「・・・ばか」
言葉とは裏腹に、未沙はゆっくり目を閉じた。


『文化』が深まり、未沙の肌に触れたころ、輝のケータイが鳴りだす。
舌打ちをして、体を起こし、着信画面を見ると顔つきが変わる。

どうした?と出ると、新入隊員のケイトが、
ジェインが輝の家の前に座り込んで動かないからなんとかしてくれと、困り果てて訴えてきた。
「わかった。ちょっと待ってて」
通話を切ると、ため息が零れた。

「・・・あの子?」
未沙が乱れた胸元を整えながら、けげんそうな顔で訊ねる。
輝は無言でうなずく。
「みんな同じ扱いをしてきたはずなのに、どうして彼女だけこんなになっちゃうのかな?」
「鼻っ柱の強い女の子が、もうだめだ、って思ったときに、あなたが来たんでしょ?
なにか心当たり、なあい?」
クスクス笑いながら、未沙が言う。
「誰かを助けるたびにこんな目に合うのかよ・・・
これこそ任務だぜ?」
頭を抱えるように、輝はへたばる。
「それで、どうするの?」
「ちょっと様子見てくる」
輝は伸びをしながら立ち上がり、なにげなく未沙を見ると心細そうに座り込んでいた。
「ごめん」
「あなたが悪いんじゃないでしょう」
静かに微笑みながら、玄関まで見送ってくれる。
「・・・いってらっしゃい」
未沙の声を背中で聞く。
振り返ってうなずくと、輝は勢いをつけてドアを開けた。








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> ぱよぷーさん

のんびりしてたら、来週三日なので大慌て中。
2月は早いですね~(大汗)

彼は優しくて素直だから早い者勝ちの優良物件だな、と思ってしまう、
薄汚れた大人になってしまった自分がかなしいです(笑)
あんまりめんどくさいこと言わなそうだし、
細かいこだわりもなさそうだし、扱いやすそうないい子だわ~。
いい時期に未沙と出会えたから、女運はいい方なのかも、本人は。

そしてなんとなく浮かんだ言葉が「天然という名の無神経」(苦笑)
某少女漫画で使われていたけど・・・
いい意味じゃなかったけど・・・
恋愛関係ではそんなイメージが輝にはあります(汗)

ぱよぷーさん、私も「超時空要塞」どっか飛んでったみたいで、
なんかメロドラマになってますーーーー(大汗)




No title

> VF-4さん

読み返してくださっているのですね~♪
そして、異国でも楽しんでいただけて、うれしいです。

輝が呼び出されれば、未沙とて穏やかにいられないと思いますが、
この場合、輝本人が戸惑っているのがわかるので、
わりと冷静でいられるのではないでしょうかね~。

母国語ではなく、英語での生活は大変ですが、
がんばってくださいね!

プロフィール

vt-102

Author:vt-102
ぶい、と申します。
30年前、夢中になった
『超時空要塞マクロス』
WOWOWの放送を見て、
当時の思いが蘇って大変中。

戴いたコメントは、すべて非表示にしています。

SSの目次を「SS menu」としてリンクに張り付けました。
ご活用ください♪

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