SS <because> 5

自分で書いておいてなんですが、
・・・長い一日だな(苦笑)
私なら翌日寝て暮らしたいです。
20代のころは午前二時とか三時とかまで遊んでいて、
七時に起きて仕事に行けたから、若いって素晴らしい。
このヒトたちもきっとそうよね~!そうだよね~!!

ということで、よろしかったら楽しんでくださいね♪



* 戴いたコメントにお返事させていただきました。(2/25)(2/26)




<5>



すぐそこにある自分の家まで走る。
昼間の流れから、これから起こることを考えると、頭が痛くなる。


メガロード護衛部隊を組織するにあたって、
統合軍は男性だけではなく女性のパイロットの募集も始めた。
優秀な人材があまたの戦いで失われた今、
女性でも条件が満たされれば同じ任務に就ける前提で募集に踏み切り、
地球のシェルターで生き残った若い世代を中心に志願者は増え、
輝の隊にも暫定的に数名配属された。
いきなり攻撃されて宇宙に飛び出した自分たちとは違い、
きちんと訓練を受けているので即戦力になるのだが、
十代後半の感性は予想外の展開を巻き起こしてくれる。


駆け付けた輝を見つけると、ジェインは瞳を輝かせ、
意志の強そうな顔立ちが一瞬で華やいだ。
若くてきれいな女の子にこんな顔をされたら、
それはとても心躍る気分になるのだが、今の輝には重たすぎる。
「いったい、何時だと思ってるんだ!」
「隊長、お話が」
「昼間終わった」
「でも!」
「早く帰れ」
潤んだ瞳をむけられ、彼女の気持ちに応えられずに辛くなるが、
なるべく冷静を心がけて輝は話し出す。
「繰り返すけどジェインは同じ隊の仲間で、仲間だから助け合うし、大切に思ってる。
だけど、それは女の子としての君じゃないんだ」
ジェインの顔つきが硬くなる。
「この前の君のように命が危険な状態になったら、
そばにいるものは誰であれ、あの時の俺と同じことをする。
それにメガロードは移民艦だ。
軽々しく志願したら後悔するぞ」
「わかってます。だけど・・・
姿を見かけるだけでもよかったのに、地球からいなくなっちゃうなんて・・・・
会えなくなるなんて、耐えられません」
いつもの凛々しい彼女からは考えられないくらい、弱弱しい女の子の顔が見える。
「だからさ、君の気持ちには応えられない。
俺には大事にしたい人がいるから。
・・・ジェインが言ってることは、誰にでもあることで、特別なことじゃないよ。
そしてそういう感情を抱ける誰かに、まためぐりあえる」
16、か。
出会った時のミンメイと同じくらいだな。
ほんの数年前なのに、ずっと昔の話のように感じた。


輝はケータイを取り出して、着信履歴を探る。
「隊長」
手を止め、ジェインを見る。
「でも、隊長しかいないんです」
勇気を振り絞っているだろう彼女の決意は、かみしめた唇でわかる。
素直に気持ちを表せる彼女がまぶしい。
『あいまいな態度は相手を傷つけるのよ。はっきりなさい!』
未沙の声が頭の中に響き渡った。
―――たしかに、よしよし、ってやるほうが、突っぱねるよりも気持ちが楽だよ。
意地悪をしているようで、気分がよくない。
「・・・ごめん」
どんなに考えても、この一言しか出てこない。

再び履歴をスクロールさせ、お目当ての番号を探し当てた。
「この件に関しては、これで終わりだ。
次はないから。ことによっては営倉ね。
・・・あ、ケイト?
終わったから、あと、頼む」
家の裏で待っていたケイトがすばやく駆けつけ、ジェインの肩を抱く。
振り返りながら歩き出す二人を見届けてから、輝は未沙の家に向かった。


玄関のドアは鍵がかかってなかった。
「不用心だぞ!」
輝が声をあげるや否や、未沙は飛び出してきた。
「おかえりなさい」
嬉しそうに微笑む未沙の額に、輝はこつん、と軽くゲンコツをあてた。
「一応女の子なんだからさ」
「一応ってなによ、一応って!」
額を抑えながら未沙はすねた声をあげるが、嬉しさは隠しきれてない。

リビングのテーブルには広げられたパソコンと、
マグに淹れられた冷めかけのティーバックの紅茶があった。
やはりどこか緊張していたのか、のどが渇いた輝は一気に飲み干す。
渋みが出始めて、濃く苦い味は今の自分の気分のようだ。
「あら、新しく淹れるのに」
未沙は言うが、輝は、これで充分さ、とソファに腰を下ろす。
「とりあえず全部訳は終わったのだけど、しっくりこないの」
未沙はつぶやきながら件の歌詞の訳をスクロールさせ、
一通り眺めるとパソコンの電源を落とした。
「・・・彼女、帰ったの?」
「同室のヤツ呼んで、任せてきた。
大丈夫・・・だと思う」
歯切れの悪い輝に、未沙は眉を寄せる。
「未沙の言う通り、早いうちにはっきりさせたほうがよかった」
「期待しちゃうから。
好きになってくれるのかも、って」
目を伏せながら未沙は言う。
「あなたちょっと鈍いんだから本当に気をつけないと、またこんなことになるわよ」
バツの悪い輝は、膝を抱える。
「おんな、めんどくせーーっ」
膝に額をつけてうずくまった。
「・・・・・・片思いは辛いな」
「辛いわね」
隣に座っていた未沙が輝の肩に頭を乗せると、輝も未沙に寄り添う。
自分の取った行動が正しかったのか、よくわからなくなっていた輝は、
未沙にすべてを赦されたようで、体中の無駄な力が抜けていくかんじがした。






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> のんきな母さん

私もそれは無理だったと思います。
そのミンメイとの経験と、未沙の助言のたまものが、今回の輝♪
というわけで、隊長らしくがんばってもらいました~っ。
でもきっとチクチク悩んでいそうな気がします(笑)

そしてTV版のモヤモヤがあったからこそ、
私はこんな楽しみができちゃいました(^^ゞ
えへへっ



> のんきな母さん

でしょ、でしょ~♪
のんきな母さんのお楽しみに、
微力ながら貢献できていたら、大変うれしいでーす(#^^#)
私もみなさんのところに遊びにいかせていただいて、
いいわぁ~💛って、ニヤニヤしてます。
もう好きでたまんないわ、マクロス!!
プロフィール

vt-102

Author:vt-102
ぶい、と申します。
30年前、夢中になった
『超時空要塞マクロス』
WOWOWの放送を見て、
当時の思いが蘇って大変中。

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ご活用ください♪

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