SS <because> 7

三月になりました。
・・・はやっ!!
冬のコートから春のコートに替えたくなりました。
春は確実に近づいているなぁ♪

自分の中で、三日まで毎日更新しよう!と心がけていたのですが、
一日飛んじゃったわ(涙)
ちょっと残念です。


becauseももう7回。
今回は未沙視点。
よろしかったら、楽しんでくださいね~♪


* 戴いたコメントにお返事させていただきました。(3/1)(3/2)



<7>



会議の後軍の幹部につかまり、延々と言いがかりに近い質問に答えながら、
未沙は輝が松浦に呼び止められるのを目の端に留めていた。
話を切り上げようと試みるが、逆に奥深く切り込む羽目になり掌に汗を握る。
とことんやってやろうじゃないの。
未沙が本腰を入れて話を整理し始めると気配に押されたのか、
幹部たちは相槌を打ちながら切り上げていく。
嫌がらせなのか、度量を図られているのか、
どちらにしても気分がよろしくないまま終わり、
そのうえ輝も松浦も、後ろ姿すら見つけることができなかった。



松浦は先に席に戻っていた。
涼しい顔をしてコーヒー片手に端末を叩いている。
「松浦少佐、よろしいですか?」
片眉を少しだけ上げた彼は、3分待ってくださいね、と歌うように応えた。

隣の空室に松浦を呼び、未沙は切り出す。
「一条大尉になにを言ったのかしら?」
「気になる?
ま、早瀬さんにも見せたかったから、ちょうどいい」
松浦は口角をゆっくりあげながらタブレットを操る。
にやけたかんじが未沙の神経を逆なでして、
必要以上に苛立ちを感じてしまうが、
このままでは彼のペースにはまってしまうと冷静を心がける。
どうぞ、と渡されたタブレットには、
ミンメイと輝が笑って歩く光景が映し出されていた。
「これがかなり人通りの多い場所で、
やたらと動画も上がってる状態なんだけど、知ってた?」
「買い物していて、ばったり会ったとは聞いてます」
未沙は毅然と続ける。
「やましいことは全くないはずです」
「あと、これね」
新たに映し出される画像は、未沙の宿舎の玄関を開ける輝の後姿。
「いい時間だよね、これ。泊まったの?」
思わず目を凝らした。
あのときの嫌な感覚が的中していた。
「軍の敷地内でこんな撮影を許すのは警備の問題でしょう?
私達にもプライバシーはあります」
未沙の強い口調に、松浦も態度を引き締めた。
「宿舎エリアに入り込んだパパラッチには適切な処分をしました。
ご安心を。
これからの広報活動であなたの露出が増えていけば、もっと過熱していく。
あなたが若い女性であることから、
変質的な輩も出てくることも想定して情報部は対応にあたります。
しかし、限界もある」
松浦はタブレットを未沙から受け取ると、
別のページを探し出し、再び未沙に手渡す。
「すでにこんなネット記事も出回り始めましたよ。押さえましたけど」
見るのもバカバカしいタイトルが踊る記事。
しかし名前は伏せられ、写真はなくても未沙を指していることは明らかだった。
怒りのあまり手の先から、足の先から、体温が失われていくのを感じながらも、
未沙は姿勢を正し続ける。
「私は芸能人じゃないわ。
メガロード勤務を志願するのも、艦長になるにも全部軍の任務です。
情報部があくまでもイメージ戦略で私を美化したいのなら、ぬかりのない仕事をお願いします。
中途半端に煽られても迷惑です。
それに一条大尉も私も、人としての倫理に反する、後ろめたいことは何ひとつありませんから、
今更あなたの指図は受けません。
これ以上私生活に踏み込んでくるのなら、私もそれなりの措置を取ります」
未沙の啖呵に、松浦は目を細める。
「わかりました。
私の言葉があなたに不快感を与えてしまったのなら、以後気を付けます。
今後の展開についてのご意見も謹んで承らせていただきました」
それではと慇懃無礼に言い残して、松浦は踵を返した。
ドアが小さな音を立てて閉まるのを確認した未沙は、壁にもたれて目を閉じた。

くやしいが松浦の言うことに道理があった。
同じことを他人がやっていたのなら、
未沙はそういうだらしなさを誰よりも嫌悪する自分を知っている。
しかし仕事に障るから結婚しろと輝に迫るのは、死んでも嫌だ。
ただでさえ、お互いファーストキスは未沙から命令した『任務』で、
これ以上何かに振り回されて、
自分達の大切にしておきたい気持ちに踏み込まれたくない。
やっと育ち始めた関係を二人でゆっくりと深めていき、
その時が来たなら将来を誓い合う、そんな願いさえも自分には許されないのだろうか?
考えるほど息が苦しくなっていく想いを抱いて、未沙は姿勢を正す。
やることはたくさんあるのだ。

持ち込まれる案件は軽々しく扱えるものではなく、
本気で頭を回転させることを要求されて未沙は没頭していった。
そして読みこむほど自分に課された責任の重さを思い知らされる資料は、
これから先も持ち込まれてくる。
立ち止まっている暇はない。








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何を考えているのか?

松浦の新狙いは・・・
輝と未沙を別れさせ、未沙を自分の物にするつもりなのか?
またはその逆で、二人を早く結婚させようとしているのか・・・
本当の真意が・・・
ドキドキです。
せっかく、お互いの気持ちが通じ合えたのに、任務の事になると、またお互いに悩みだしてしまう二人、似た者同士ですね。
早く続きを!!!!!

> VF4さん

ドキドキしてくださって、ありがとうございます♪

松浦くんの真意はこの先も長くかからないと出てこない予定です。
ごめんなさいっ。
話してしまうと、それで満足して
私が更新しなくなるので、
目の上のたんこぶにしておいてくださいね。

また明日中に更新しようと考えていますので、
よろしかったら、覗いてみてください。

悶々と・・・

松浦のせいで、二人の関係が・・・・
と思うと気になってしまいます(笑)
でもそんなゴシップ記事ごときで崩れるような関係でない事は確かですが・・・
任務に誠実な未沙とそのような未沙の邪魔はしたくないし、それを守りたいと思う輝の正念場ですね・・・
ぶいさん
楽しみにしてます!!!!

> VF4さん

ご期待にそえるよう、頑張りますね♪

プロフィール

vt-102

Author:vt-102
ぶい、と申します。
30年前、夢中になった
『超時空要塞マクロス』
WOWOWの放送を見て、
当時の思いが蘇って大変中。

戴いたコメントは、すべて非表示にしています。

SSの目次を「SS menu」としてリンクに張り付けました。
ご活用ください♪

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