SS <because> 8

昨日、久しぶりに「伝説巨神イデオン」一話だけ見ました。
WOWOWなんですが(笑)
小学生のころに見てたので、詳細が分かって新鮮!
今月の中ごろから一挙放送と映画もやるので、
もーーーー!!
お気に入りのキャラもないのですが、話が好きです。
映画『発動編』はリアルで怖いくらいだった。
(当時はビデオもなかったので劇場で一回見たきりです)
最後のああいう終わり方は好きではないのですが、
イデオンは許せる。
春の楽しみができました。


さて、<because>、続きをUPします。
・・・ちょっと長いです(汗)



* 戴いたコメントにお返事させていただきました。(3/2)





<8>




「明日、誕生日だろ?」
食堂で一緒になった輝が言う。

ここ数日、この場所でしか二人は顔を合わせていない。
輝の勤務の不規則さにできるだけ時間を合わせていた未沙が、
忙しくてそれどころじゃないと任務に専念しているせいだが、
本当は未沙が少しだけ輝を避けている。

一緒にいたい気持ちは変わらない。
むしろ以前よりずっと強くなっているのに、
だれかに見られてるような気持ち悪さがあり、
そこに輝を巻き込むことがどうしても許せなかった。
どこかで折り合いがつけられる場所があるはずなのに、
今の未沙には見つけだせる余裕がない。

「もう、うれしくもめでたくもないわ」
そっけない未沙の返事に、輝はむっとする。
「イライラしっぱなしだけどどうしたの?
俺、なんかした?」
「なんにもないわよ」
「その態度、なんとかしろよ」
未沙の態度に輝も語気が強くなる。
「嫌だったら、よそで食べればいいじゃない」
売り言葉に買い言葉で、輝も顔色を変えた。
「ああ、おっしゃる通りでございますねっ」
捨て台詞を残して、場所を変える。
未沙も食べるのをやめ、食器を下げるために立ち上がった。
周りの者がちらちらと自分たちを眺め、
声を潜めささやきあうのが目に入る。
―――もう、勝手にすればいいわ。
どうしたらいいのかわからなくなっている自分を持て余し、
捨て鉢になっている未沙はそのまま振り返らずに食堂を後にした。



休み時間も残っているのに部屋に戻る気分も起きず、
自然と足はブリッジに向かっていた。

「あーっ!早瀬少佐ぁ!!」
久しぶりに足を踏み入れると、未沙の後を継いだシャミーの声が響く。
自然と口許がほころぶ。
キムとヴァネッサも加わり他愛もない話で笑いあい、
ささくれだった気持ちがなごんでいく。
「ところで少佐、今日の夜のご予定ありますか?」
ヴァネッサに問われ、輝の顔が一瞬よぎったが、なにもない、と応えた。
「ラサール少佐とみんなでご飯行くんですけど、久しぶりにどうですか?」
「うれしい!ちょうど明日、休みなの。
それにみんなとご飯なんてどれくらいぶりかしら?」
「だって少佐、いつも一条大尉と一緒なんだもの」
シャミーの何気ない一言に未沙の笑顔が凍る。
気配を察したキムがシャミーを小突く。
「みんなそろってる間に、どんどん行きましょう。
新しいお店も結構できてますよ」
ヴァネッサは聞こえなかったふりをして、話題を戻す。
「五人ずっと同じところにいるなんて、なかなかないことだものね」
未沙もヴァネッサの心使いに応えて、表情を緩める。
「よそに異動って言ったってアポロくらいしかなかったけど、
最近は短距離移民船団とか増えましたね」
キムも応える。
「このブリッジもあと少しだし。
管制センターの修復工事、もうじき終わるじゃないですか。
あっちのほうが便利なんだけど、やっぱり思い入れはこっちにね・・・」

時間は確実に流れている。
今はシャミーの持ち場になっている懐かしい場所に立ち、ゆっくりと見回す。
パネルに触れると、輝との出会いを思い出した。
まさか、こんなことになるなんてね。
そして先ほどのケンカも思い返し、どうも進歩がない気がして情けなくなったが、
それも自分達らしいのかもしれない。
「今日、来れてよかった」
感傷を振り切るように、未沙は微笑む。
「最後の日は多分、地球にいないから」
「忙しいんですか?」
「メガロードを見に、アポロまで行くのがそのあたりなの」
「なんか実感がわかなかったけど、ほんとに行くんですね・・・」
未沙はうなずく。
シャミーが半泣きになり、キムは下を向いた。
「まだまだ先でしょ、ほらほらっ」
ヴァネッサが気丈に皆を盛り立て、夜の計画の確認をする。
仲間たちに癒され、明るい気分で未沙はブリッジを後にした。




部屋に戻ると松浦が嬉しそうに飛んできた。
「はっやせさーんっ、ケンカしたんだって?」
未沙は真正面から松浦を相手をするのがバカバカしくなってきた。
「そんなもの、どうでもいいでしょう」
適当に言い捨てて山積みの資料の前に座ると、
未沙のそっけない態度がつまらなかった松浦はしぶしぶ席に戻る。


約束の時間が近づく。
それに合わせて始めた松浦との打ち合わせも、
ちょうどキリがつくところだった。
仕事中の彼はいたって真剣で、頭も切れる。
知識も見識もあり、無駄に説明を要することもなくスムーズに物事が進んでいくので、
その点においては頼りになる相棒になる予感がある。

「明日誕生日なのに、ケンカしてどーするの?」
「あなたに関係ありません」
良く知ってるわね、とあきれつつも、帰り支度の手を止めずに未沙はあしらう。
日本出身者にはわかりやすい誕生日なので仕方がない。
「お祝いしてあげようか?」
「結構です。お気持ちだけうけとりました」
「どっか行くの?」
「報告する義務があるのかしら?
それより、あなたこそ、さっさとお帰りになったら?」
「帰っても予定ないし」
「あら!あのころはあんなにお盛んだったのに?」
声色をあげてからかい気味に未沙が挑発すると、
それまでちゃらちゃらしていた松浦の瞳が曇り、失笑気味につぶやいた。
「あのころ、か。
・・・早瀬さん、なつかしいこと思い出させてくれたね」
今まで感じていた胡散臭さが一瞬消え、
未沙はなにか悪いことを言ってしまった気分になった。
「さ、首席の少佐に怒られるから、かーえろっ」
しかしすぐに松浦はまたチャラけた空気をまとった。
「ほんとにどこ行くの?かわいい子いる?俺も一緒に行っていい?」
「お断りしますっ」
おつかれさまでした、と未沙は部屋を後にした。








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心配で心配で・・・

自分で喧嘩の原因?を作っておいて、おちゃらけな松浦とお互いに変な事に巻き込まないように接するがその表現が下手な輝と未沙・・・・(喧嘩するぐらいで仲が良いと言いますが・・・)
精神的に疲れた未沙に対して押して来るのか?松浦・・・・(頼りになる相棒というのが心配です。)また輝にもまたあらぬ疑いが起きるのか?
目が離せない二人です!

追伸
私事ですが・・・・
UN SPACY Tシャツを購入しました!(たまたま行ったアニメの店で売っていました!)
家族はあきれ顔でしたが・・・
仕事の作業着の下に着たいと思います!むふふふ・・・

> VF4さん

おおっ、いい出会いですね~!
作業着の下など言わず、ぜひ上に!!
アニメショップもマクロスの下敷きだの、メモだのカンペンだの、
買いに行って以来ご無沙汰です。
ああ、あのグッズまだ残ってたらなあ・・・(涙)

いつもやきもきさせてすみませんっ。
のんびり楽しんでいただけると嬉しいです!!

プロフィール

vt-102

Author:vt-102
ぶい、と申します。
30年前、夢中になった
『超時空要塞マクロス』
WOWOWの放送を見て、
当時の思いが蘇って大変中。

戴いたコメントは、すべて非表示にしています。

SSの目次を「SS menu」としてリンクに張り付けました。
ご活用ください♪

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