SS <because> 11 (完)

3日に二回UPして、そのあと日にちが空いてしまいましたね(大汗)
遅れて申し訳ありませんでした。

未沙の誕生日にひっかかった時期にUPした<because>ですが、
ようやくfinを打てました。
お付き合いくださったみなさま、本当にありがとうございました。
<11>も、なんだかゆるゆるな話ですが、楽しんでいただけるとうれしいです。




* 戴いたコメントにお返事させていただきました。(3/9)(3/24)(7/6)


<11>




二日酔いで霧がかかった頭に響く、輝からのプロポーズ。
夢の中の出来事のようで、未沙は正直、実感がわかない。
なにより巧く行き過ぎている気がしてならない。
彼の提案にイエスの意味でうなずいたあと、二人は無言でコーヒーを飲み続けた。
「朝ごはん、作るわ」
カップを空にした未沙が席を立つと、輝も立ち上がり背後から未沙を抱きしめた。
「そんなの、あとでいいよ」
手にしたカップは鈍い音を立てて、床に転がる。
拾い上げようとする未沙を、輝は抱き上げて寝室に向かう。

丁寧にベッドに降ろされ、輝の顔が真上にみえた。
くちびるが重なる。

未沙は非常に困った事態になっていた。
頭痛が強くなって、この先のコトに自分が耐えられるか、
いまひとつ自信がなくなっている。
なんで昨日あんなに飲んだんだろう、と後悔しても、
飲んでいなければここに来ることもなかったのだなと、
妙に冷静に考えて納得してしまう。
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
そればかりが頭を駆け巡る。

「身体、つらい?」
輝が眉をひそめてのぞきこむ。
「顔色がすごく悪い。はっきり言えよ」
自分の異変に気づいてくれた輝がうれしくて、未沙は表情を緩めた。
「実は頭が痛いの。
ごめんなさい。飲みすぎて二日酔いです。認めるわ」
ばーか、といいながら輝は横に座り、未沙の髪をなでる。
「午前中はゆっくり休んで」
額にキスを落とすと、寝室を後にした。
未沙は毛布を顔まで引き上げる。
目覚めたら自分のベッドで、全部夢だったらすごく嫌だわ。
ふと心によぎったかなしい結末を追いやるように、ぎゅっと目を閉じた。

冷たさを頬に感じて目が覚めた。
「そろそろ起きてよ」
輝がスポーツドリンクのボトルを持って、覗きこんでいる。
「今、何時?」
「もうじき1時。腹減った」
身体はずいぶん楽になり、半身を起して手渡されたボトルのふたを開けて飲み始めると、
水分が体中に染みわたっていく。
「ありがと。なにか作るわ」
「残念ながら冷蔵庫からっぽだよ。未沙が来なかったからさ」
「もうっ、お買い物くらいしなさいよ」
「外、行こう」
「それなら着替えに寄りたいわ」
「無理、待てない。
それにいいと思うよ、今日のカッコ」
「そうかしら?なんか・・・やっぱりイマイチなんだけど。
あ、私、今、ラーメン食べたい気分なの」
「さすがは二日酔いな発言だ」
「失礼ね、醒めたわよっ!」
じゃれあいながらリビングへ足を踏み入れると、テーブルの上に大判の封筒が置いてあった。
未沙は振り返って輝を見つめる。
「もらってきた」
手に取り、出してみると婚姻届と軍に提出する書類。
「おぼえてない・・・わけじゃないよね?」
輝は怪訝そうに未沙を見つめる。
「夢だったらどうしようって思った」
実感が沸いてきた未沙の瞳がみるみる潤んでいく。
「それにしてもあなた、いきなりすぎるわよ」
「躊躇したら死んじまう仕事してるもんでね。
・・・これ出しちゃえば、誰にもとやかく言われない」
輝はいったん言葉を切った。
未沙の目を見つめて、ゆっくり告げる。
「後悔したくないんだ」
輝は淡く微笑む。
あえて口に出さなかった言葉の意味をかみしめて、
せつない現実に戻された未沙は輝を抱きしめた。
背中をやさしくなでながら、輝は未沙の髪に顔をうずめる。
「そう簡単には死なないよ?」
「あ・・・あたりまえでしょっ」
輝の胸から顔を起こした未沙は、涙をぬぐいながら応える。
「私のこと、守ってくれるって言ったじゃない。
約束、忘れないでね」
「忘れないよ」
輝は未沙の両頬を包み込み、はっきりと誓った。

遅めのランチのために、手をつないでふたりは街を歩く。
「戻ったら、さっさと書いて出しに行こう」
「伸ばしたら延々と出せない気がするのは、私だけじゃないのね」
未沙が笑う。
「婚約のなんかとか、すっとばしちゃったけど、いい?」
「まだ間に合うわよ」
にやにやしながら意地悪くふざけた未沙に、輝は軽く体をぶつける。
「結婚式は挙げよう」
「そんなの、いつでもいいわ」
意外そうな顔をして輝が首をかしげた。
「あなたとずっといられるだけで、私は充分よ」
「俺も」
言ったあとから、照れくさそうに輝は空を見上げた。





それから数日後。

輝はいつも、格納庫に寄って帰ってくる。
未沙は帰りを待ちながら、プロトカルチャーの歌詞をパソコンの画面に開いていた。
提出日は明日なのだが、なかなか決心がつかない。
何度も読み返して心を決め、送信ボタンを押した。
そしてひと息ついて気分を変え、別の資料を読み始めるとインターフォンがなり、
弾むように立ち上がる。


「おかえりなさい」
扉が開いて、二人の夜ははじまる。








fin






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非公開コメント

またもや

悶絶ものです!
婚約をすっ飛ばして、ダイレクトアタック
意外にこの二人にはお似合いかも知れませんね。
これで回りからとやかく言われる筋合いはないですね・・・
本当に二人の幸せを見てると悶絶ものです。
輝がうらやましい・・・
美人で仕事バリバリ出来て 、頭がよくて、料理や家事が得意で、意固地で、そのくせ甘えんの未沙を奥さんにできて・・・

座布団10枚!!

素敵なお話ありがとうございます♪
この二人のプロポーズは、どれも優しいお話が多いのですが、この話もまたいいですね♪

輝と未沙の幸せに乾杯!!

> VF-4さん

早瀬提督がご存命なら、こんな無茶はできませんでしたね~(笑)
絶対一回で許可は取れなかったと思います。
とりあえず学生でもニートでもなく
一人前の二人だから、問題なし!ですよね♪


> のんきな母さん

そうそう!あそこに近づけたかったのです!!
TVの輝はなんかぼーっとしていて、
君、ほんとに6月に結婚できるのか?って(笑)
それでも戦闘職種だし、その中でも隊長だし、
やるときはやる子だと信じて、こんなになってしまいました(汗)
カッコイイ漢になってほしい~っ!!

> ゆばさん

いちゃいちゃさせるには飲みすぎで、大変健全な日中に。
・・・夜はわかりませんが(^_-)-☆
お酒って便利で不便だ!!
飲みすぎ注意ですね。

私、輝にひどいことしてるなあ、と自覚しながら書いてましたが、
きっと見てないところで凄いことしてるからいいや、と開き直りました(苦笑)


> ぱよぷーさん

優しい話が多いのは、
このふたりの根本がやさしいからなんでしょうね♪

てか、二日酔いでプロポーズしてそのまま入籍って、
娘にどう説明するんだろう、この二人(笑)
華やかさにかけていてごめんね、って今更あやまってしまいます。

うわぁ!すごいよかった!酔って輝の家で脱いじゃう未沙がかわいくてかわいくて(*^_^*)そんな未沙に、プロポーズしちゃう輝もいいなぁ~~~
ワタシ、ぶいさんの書く二人、とっても好きです。。
また次も楽しみにしてましね!

> michyさん

楽しんでいただけてよかったです~💛
未沙がかわいくなっていてよかったっ(汗)
酔っ払いすぎてると、逆に(想いが)醒めるよなあと
あとからいろいろ反省してました(笑)

次がなかなかできませんが、頑張りますね♪


プロポーズ、…

はじめまして。輝未沙のプロポーズ話、とても素敵でした。私も40代。中学時代にマクロスに狂った一人です。あの頃の妄想が(笑)、形となって、今、接する事ができるなんて夢のようです。これからも、ご執筆頑張って下さい。楽しみにしています。

No title

> JUNさん

JUNさん はじめまして。
過分なお言葉、ありがとうございます。

そして、同世代ですね~(*´▽`*)
こんなジャンルがあることを、あのころの自分に教えてあげたい(笑)
ともかく行きつくところまで書いてみようと思いますので、
楽しんでいただけると、本当にうれしいです。

これからもよろしくお願いします。

プロフィール

vt-102

Author:vt-102
ぶい、と申します。
30年前、夢中になった
『超時空要塞マクロス』
WOWOWの放送を見て、
当時の思いが蘇って大変中。

戴いたコメントは、すべて非表示にしています。

SSの目次を「SS menu」としてリンクに張り付けました。
ご活用ください♪

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