SS <apollo> 2

あっというまに四月も折り返しましたね~。
おーい、First、いつ始まるの~?

そんななか、イデオンを見てました。
TVシリーズは途中で保留にして、完結する映画の「発動編」を
三日に分けて観ました。
テーマがそうだから仕方ないけど、
主張の強い人が多くて・・・みんなキツイんだもんな~。
でもひとりひとり、倒れていく姿が辛くて、泣けてきた。
昔はそんなことなかったのに、年取ると涙もろくなるもんだ。

原画のスタッフに板野さん、平野さん、垣野内さんのお名前を見つけて、
テンション上がった~!
マクロスと違って、どこ描いていらっしゃるかわからなかったわ(笑)


さてケンカップルのその後でーす。
あとでちょこちょこ修正いれるかもしれません。

楽しんでいただければ、本当にうれしいです。




* 戴いたコメントにお返事させていただきました。(4/17)(4/20)(5/5)
 



<apollo> 2






「新婚さんなのに、連絡入れないあんたが悪い」
打ち合わせの後、こっそりと松浦少佐が耳打ちする。
同じ場所にいたのに、未沙は不自然なほど素早く、別室に移動していた。
他のスタッフは談笑しながら、後始末をしている。
「肩肘つっぱってても、やっぱり女なんだからさ」
「・・・なんで少佐がそんなコト、知ってんですか?」
ふたりの間のことに口を挟まれ、俺はかなり面白くない。
「見てりゃ、わかるだろーが!ともかく怖いんだよっ。俺が一番わりくってんだよっ!
被害拡大する前に、隊長、なんとかしてくれ」
「・・・あちらは任務に私情を持ち込みませんよ」
そっけない返答に、ふーっ、と長いため息をついて松浦少佐は言った。
「そろそろわかってやれ。
あの完全無欠なおじょうさん、いやいや、奥様の唯一の弱点は、あんただ」
は?と、思わず口を開く。
「さみしいんじゃないの?」
いつもの軽さはどこにも見えず、
自嘲するように笑みを浮かべた松浦少佐が意外で、今度は目を見開く。
「女ってさ、なんかほしいんだよ、つながってるって実感が。
こっちにしてみりゃ、用事もないのに電話なんかできねーって思うけどな。
・・・てか、ほんとに何年もつきあってたのかよ、あんたらは!」
わかんねーっ、と、頭を振りながら、彼も次の持ち場に向かう。
わかんねーのはあんただよ、と突っ込みたい気持ちを抱えたまま、
俺も開発チームに合流するべく、その場を離れた。



アポロ基地到着初日の昨晩、未沙は自室に籠った。
取りつく島がなかった俺も頭にきて、今まで通りに開発チームやパイロット仲間と過ごした。
さきほど終えた午後のミーティングまで顔を合わせることなく、
しかも何気なさを装われながら視線ははずされ、面白くない気分は続いている。
そこにこの助言。
俺としては、結婚したんだし、心配かけるようなことはひとつもしていないんだから、
そこまでむくれられたことが心外だ。
が、たしかにメールの一本も返さなかったことは、こっちが悪いので、
頭を下げようと腹をくくり、夕食を一緒に食べようとメールで誘った。
声もかけられないんだから、しょうがない。
返ってきたのは「まだわかりません」の一言で、面白くない気分はまだまだ続く。
今日の任務も終わりに近づくころ、格納庫でVF-4を前にして話し込んでいると、
そのうちの一人につつかれ、指さされた方をたどれば、壁にもたれるように未沙が佇んでいた。



機嫌がいいのか悪いのか、その表情からは読み取れない未沙とふたり、
俺の部屋で向かいあって食事をとる。
簡単に後始末ができるケータリングのような味気ないものだけど、
食堂で冷やかされながらというのは、今日は嫌だった。
食べ始めてしばらくすると、未沙はため息をついた。
「・・・まさか、歌の通りになるとは思わなかったわ」
「なに?」
「自分の飛行機にお熱なの~」
そのまんますぎて言葉もなく、ははは、と笑いでごまかしてみると、
しょうがなさそうに未沙も笑う。
「ほんとはね、怒鳴りつけようか、無視しようか、
ってシャトルの中からずっと腹の中が煮えくり返ってたのよ。
昨日の夜も眠れないくらい腹立たしかったわ。
でもね、VF-4を囲んでる姿見てたら、しょうがないなあ、って怒ってるのが馬鹿馬鹿しくなっちゃった。
飛行機に私が勝てるわけないもの」
「それは無茶な比べ方じゃ・・」
「もう!わかんない人ね。私の中じゃ一緒よっ!!」
俺は口を閉じた。
未沙も黙る。
文字通り黙々と食事を続けた。
「ところで試験はどうだったの?」
「明日か明後日あたりに連絡が来るわ。精一杯やったつもりよ、ってこともメールしたけど」
「あ!うん・・・そうだったね」
そのまま無言に戻り、気まずさが漂い始める。
「あ・・あのさ、未沙、いなかったけど、
結構、未沙の話題で盛り上がってたから俺は淋しくなかったよ」
がたん、と音を立てて、未沙は立ち上がった。
「いったいどんな話で盛り上がったのかしら?
あなた、無神経よっ!!」
沈黙を破るための一言は、思いっきり地雷だった。
「へんな話はしてないよ」
上目づかいで見上げながら、弁解してみると、鋭くにらまれた。
「どうやったら結婚できますか、とか、出会いはどこで、とか・・・」
「わけないでしょう!
私が何にも知らないとでも思ってるの?
パイロット同士のえげつない話のひとつやふたつ、ここで披露してもいいわよ」
「そっちのほうは一言も言ってない」
未沙はじっと俺の目を見つめ、納得がいったのか、そのまま腰を下ろす。
「そんな話したら、男が何考えるかわかるから。俺が嫌だ」
これから先、毎日会うのだ。
連中に、未沙を見るたびにそんな姿を想像されるなんて、たまったもんじゃない。
「信じて」
ようやく未沙の表情が緩んだ。
うれしくなって見つめ続けると、頬を染めて、もう、とかごちゃごちゃ言い始める。
「連絡入れなくて、ごめん」
「いいわ、もう」
ゆっくりと未沙は瞬きをした。
「私を守ってくれたから、ゆるしてあげる」
はにかみながら微笑んだ。

食べ終わった食器をまとめはじめた未沙を、後ろから抱きしめる。
やだとか、片付かないとか、やっぱりごちゃごちゃ言い始めたけど、
気にせずにきつく抱きしめ、首筋に顔をうずめた。
「・・・シャワーまだなのに」
「そんなの、あとでいいよ」
唇が触れた場所を強く吸うと、未沙は首を竦めながら逃げるように身をよじる。
紅く残った跡に満足した俺は、耳元で囁いた。
「もう、まてない」
腕の中の未沙は、抵抗をやめた。

一週間しか離れていないのに、なつかしい。
抱き上げてベッドに移る。
アンダーシャツの下の素肌に手を這わせると、か細いなにかが指に触る。
鎖骨の上にネックレスがあった。
「・・・つけてくれてるんだ」
この前の誕生日に、指輪を準備すればよかった、と思いながら渡した。
「あなたが選んでくれたのよ。気に入らないわけないじゃない」
数日前の、仲間たちとの会話を思い出す。
―――軍の女はかわいいぞ。
今度は絶対、自慢しよう。
「ただね、制服だと見えないの」
「それでもつけてくれてるから、うれしい」
ネックレス越しの鎖骨にキスをおとすと、吐息がこぼれた。
それが引き金になり、夢中で未沙を貪る。
彼女の甘い悲鳴で、部屋は満たされていく。

自分の腕の中に閉じ込めていても、もっと未沙がほしくて、奥深くまで入りこむ。
顔をゆがめるほどの刺激を与えているのに、あがる声も切なそうなのに、
なんで俺はこんなにうれしく思うんだろう?
あいまに視線が絡まる。
熱を帯びたまなざしが、たまらなく愛おしい。
あの冷ややかな目つきが、こんなにつややかなものに変わることを、誰も知らない。


喉が渇いた俺は、備え付けの冷蔵庫を開け、買い置きを切らしたことに気付く。
「ビール買ってくるけど、未沙はどうする?」
「今日は飲んじゃおうかな。
私の部屋にあるから、持ってくるわ」
ブランケットで身体を隠しながら、未沙は立ち上がろうとした。
艶めかしさが残るその顔で、外になんか出せるわけないと思うけど、
癪だからそれは口に出さない。
「いいよ、それよりシャワーでも浴びたら?気になるんだろ?」
上着を羽織ってポケットの小銭を触りながら、俺は部屋を出た。








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> ぱよぷーさん

まだまだ不器用な、ってとこでしょうかね~。
ケンカも愛情表現(苦笑)
他の人にはしないもんね(^_-)-☆

> ゆばさん

ゆばさんとツボが似てる気がする~♪
おいしくいただいてもらってうれしいです💛

けんかっていっても、挨拶みたいなもんだから、
輝の射程距離に未沙が入れば、あとはもう!!
・・・てことは、未沙が主導権握ってますね。
ううむ、輝、頑張れ。

松浦のことまで気にかけて戴いて、ありがとうございます。
もうちょっと働いてもらうことにします(笑)

格納庫での未沙

格納庫の壁にもたれかかるその時の未沙の姿、考えるともえもえになります。
つまらなそうに下を向きながら後ろで手をくみながら、右足のつま先をツンツンとしている姿を連想します・・・

> VF-4さん

拍手コメントもありがとうございました♪

でで!
奥様のその質問に、どんな返答をしたのか、気になるじゃないですかっ!!
いつかこっそり教えてくださいね。

妊娠中にそれは、奥様の激怒もわかりますよ!
でもこの催しは今だけ、と思うと、行っちゃいますよね~(笑)
そんなVF-4さんの情熱も奥様は受け止めてるのですね!
ごちそうさまでした(笑)


格納庫の未沙。
声かけるべきか、それも癪だし、ううむ、って
そんなかんじでしょうかね。
ああ、もう、しょうがないなあ、って見てるとか。
生き生きしてる輝を眺めて、うふっ、とか。
はたまた飛雄馬の明子ねーさんのように、柱の影からとか(笑)

いろいろ想像して楽しんでくださいね。

てか、その部分をきちんとかけよ、自分!ってところですね(大汗)

No title

> michyさん

うわーいっ、うれしいですっ(/_;)
なかなかそういう雰囲気が出せないのですよ~(汗)

ケンカといっても、傷つけあうかんじじゃない二人ですよね。
時を重ね、大人になるにつけ、
お互いの地雷を踏まずに歩いて行けそうだな、と思います♪
プロフィール

vt-102

Author:vt-102
ぶい、と申します。
30年前、夢中になった
『超時空要塞マクロス』
WOWOWの放送を見て、
当時の思いが蘇って大変中。

戴いたコメントは、すべて非表示にしています。

SSの目次を「SS menu」としてリンクに張り付けました。
ご活用ください♪

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