SS <apollo> 3

おはようございます、ぶいです!


マクロスではない、他の二次小説読みふけっていた週末です。
ひとつのモチーフ(作品)から、様々な物語が生まれて面白い!!
『この作品が好き』という情熱が伝わってきて、
読み続ける手をゆるめることができずに、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
紙で読みたいな~。
でも紙だと保管にこまるしな~。

ちなみに今、私の手元には、未読の小説が15冊ほど(苦笑)
積読ないと淋しくなるのだ~。


そんなこんなの<3>です。
楽しんでいただけると、本当にうれしいでーす。


※15/5/26 萌えおぼのゆばさんから、素敵な一枚を戴きました!
  ありがとうございます。 ほんとうにうれしい~(#^^#) 




* 戴いたコメント、拍手コメントにお返事させていただきました。(4/22)(4/25)(4/30)(15/6/9)








<apollo> 3





個室が並ぶ居住エリアと、
生活に必要なこまごまとしたものを扱うエリアの連結する場所は、
テーブルセットが置かれ、壁の一面が外を見渡せるように、窓になっていた。
そのあたりに自販機が置かれている。
勤務の入れ替わりのころは、見知った顔のひとつやふたつあるものだが、
今の時間帯は静まりかえっていた。
ボタンを押すと、小さな作動音がやけに響く。
缶を取り出して何気なく窓のほうを振り返ると、佇む人影に気付いた。
「・・・松浦少佐?」
「隊長か・・・」
はじかれるように振り返った、彼の目は少し赤かった。
なんとなく気まずい感じがして、軽く会釈して戻ろうとすると、呼び止められる。
「今、早瀬さん、いっしょ?」
やっぱり下種な勘繰りの方かと、警戒しかかるが、
彼はヘッドフォンを外し、音楽プレーヤーをさし出した。
「まだ機密だ。明日の15時に発表される」
缶を持ち替えて、それを受け取る。
「あ、悪いけど明日返して。それしか持ってきてないから」
意図がつかめず、彼を見ると、小さく笑って踵を返した。
「俺からのお祝い。聴けば彼女はわかるよ」
ひらひらと後ろ手を振りながら、彼は立ち去った。
意味が分からない俺は、それをポケットに入れると、自室に戻る。




「おかえりなさい」
テーブルの上の始末をしながら、未沙が迎えてくれる。
「これ、松浦少佐から。お祝いだって」
缶をテーブルに置くと、しまったばかりの預かりものを手渡す。
「なにかしら?」
未沙は小首を傾げる。
相変わらず意味わかんないひとね、と言いながら、
未沙はヘッドフォンをつけてプレイボタンを押すと、短く声をあげる。
「どうしたの?」
うれしそうに目を細め、プレーヤーの曲目リストを表示させている。
「愛、おぼえていますか」
「は?」
お祝いとか言いながら、口説いてんのかと、鼻白む。
「私の訳した詞よ、これ」
未沙はヘッドフォンを片耳だけ外した。
俺は受け取って自分もつける。
あのメロディが男性の声で歌われている。
歌詞がついたことで、心につよく残る。

プレーヤーにほかに曲はなく、聞き終わると未沙はゆっくりとヘッドフォンをはずし、
肩で大きく息をついた。
「なんだが嘘みたいよ」
額を合わせるように聞いていたので、
未沙のいなくなった場所をすこしだけ淋しく思いながら、俺も外した。
「めちゃくちゃいいじゃん。
硬い書類ばっかり、書いてるわけじゃなかったんだね」
「それは仕事でしょう。
私、結構、詩は好きなのよ。昔からよく読んでるわ」
「なんかわけわかんねー世界だとしか、俺には思えないなぁ。すごいね」
「読んでみたら?貸してあげるわよ」
「今度でいいからさ」
ヘッドフォンをもう一度、未沙の耳にそっと入れる。
「それより、もう一回聴こうよ」
ん、と小首を傾げて未沙は俺を見る。
「パソコンにつなげない?」
「このままがいい」
プレイボタンを押す。
イントロが流れ出す。
ヘッドフォンが外れないように、頭を寄せた。
「そんな気分なんだ」
未沙に届いたかどうか、わからない。
でも、うなずいたように見えた。



三回目の再生の途中で充電が切れた。
はかったようなタイミングに、未沙が失笑した。
買ってきたままテーブルに置き去られたビールは、水滴で濡れて、
しかもぬるくなっていたが、かまわず開けた。
未沙は少し考えると、冷凍庫に入れた。
「誰が歌ってるのかしら?」
「松浦さんじゃないの?」
「まさか!
あんなにうまいわけないわよ」
「声の感じ、似てない?
自分で歌って、人に渡すって、それはちょっと凄いかもな。別な意味で」
ぬるくても我慢できるくらい喉が渇いていた俺は、二口、三口で空にした缶を、軽く潰す。
「明日聞いてみましょう」
言いながら未沙は冷凍庫から缶を取り出して、開ける。
一口飲んで、まだ早かったわ、と眉を寄せた。
「ね。ずっと聞こうと思ってたんだけどさ」
寄せた眉を戻すことなく未沙は振り向く。
「士官学校で、松浦さんと何があったの?」
眉間のしわが一層深く刻まれたが、ふぅっ、と大きく息をつき、未沙は椅子に腰かけた。
「今となっては大したことないんだけど、私、まだ子供だったし」
「もったいぶらないで、話せよ」
「卒業までにあいつをおとす!って、宣言されて、
いろいろ仕掛けてきたときに、それなりに対応しただけよ」
「未沙のそれなりは、かなりこわそうだね」
「・・・状況にあった対応をさせて戴きましたわ」
ようやく未沙は表情を和らげる。
「なんにもなかったことは、あなたが一番よく知ってるでしょ」
未沙はふざけたり、からかってくる男に手厳しい。
エロネタまじりで逆らった輩を、本当に営倉に送ったという言い伝えが残っていて、
クローディアさんに、
あなたもかなりのものだったけど、エロネタがなかったから救われたわね、と
こっそり言われたことがある。
「・・・鬼より怖い早瀬少佐の由来なのか。
パイロットの敵だな」
「あなたまで、それ言うのね」
「いいんじゃない?」
口を尖らせ、俺を見続ける。
「おかげで、生きてます」
「・・・ばか」
ふてくされた未沙は、缶に口をつけ、ぬるいわね、と、再び眉を寄せた。













ゆばさんから♪

         by ゆばさん





















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非公開コメント

> ぱよぷーさん

私も絵で見たいです~💛
この光景を見たいがためにこの回はある!!
なーんて言ってみました。
恥はいっぱいかけるのに、絵は描けないんですよ、私(汗)

「鬼より」のあたりは私のねつ造ですが、
絶対未沙は数人送っていますよね~(笑)
輝、入らなくてよかった~(*´ω`)

> ゆばさん

ヘッドフォンって、大きいやつかな~、と思いますよね。
実はちょっと悩んだところです(汗)
今回はイメージ的にipodとかウォークマンについてくる、
あのきゃしゃなヤツで♪
イヤホンと区別がないのはビックリです!
イヤホンっていうと、入院するとテレビ見るときに使う印象で、
インカムっていうと、お仕事だ、ってかんじで、
そういえば耳に着けるものはいろいろあるのだな~、
と、ただ今再確認してました。


鬼より怖い、って言われるくらいの伝説が
公式で発表されたらいいな~、見たいな~💛
そういう30周年もいいじゃないかっ!って思います。
なので非公式でやっちまうよ、もう(笑)

歌姫ネタより新鮮かもしれないと思うんだけどな~。
っていうのは、私が未沙贔屓だからですね(大汗)


> VF-4さん

どのように対応したか、どんなことされたか、
きっとそれはみなさんのご想像通りですよ(笑)
士官学校の前に養成所に通ってますから、
その辺の新兵より・・・うはは(汗)
どこかで織り込めるといいなあ。

そして、ご回答ありがとうございます!
そうか~、飛行機は女子なのか!!
それなら奥様のライバル確定です(笑)

また素敵なお話、教えてくださいね。

No title

> 敦賀屋バボさん

そのセリフは覚えていなかったです(汗)
そっかー、イデの導きだったのか~(笑)
素敵なご縁だったので、感謝です☆
プロフィール

vt-102

Author:vt-102
ぶい、と申します。
30年前、夢中になった
『超時空要塞マクロス』
WOWOWの放送を見て、
当時の思いが蘇って大変中。

戴いたコメントは、すべて非表示にしています。

SSの目次を「SS menu」としてリンクに張り付けました。
ご活用ください♪

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